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画廊の楽しみ方ーーなんで画廊に足を運ぶのか(34)

 三十二回で、アーティストは、ある程度、同じ画廊で発表すると書きました。画廊にはランクのようなものがあって、小画廊、中画廊、大画廊とでもいうようなものもあります。業界の話ですから、あまり詳しいとは言えないのですが、分かる範囲で説明しておきます。

 そもそも、展示の形態は、企画展示というのがあって、画廊のオーナーが主体で企画を行い、集めた作品を売るものです。作家が主体となって場所をお借りして個展を開くのとは異なります。

 前者の場合は、商品をお店が集めて売るわけですから、オーナーが販売の主体となります。商店街のお店のようなものです。
 後者の場合は、商店街の空きスペースを借りて期間限定で、生産者が商品の販売をするようなものです。産地直送に形式的には近いでしょう。その変形として、作家集団が、大きめの場所を借りてグループ企画をすることもあります。これは、地域の農協や漁協が、ビルの一階や催事コーナーでやることにも近いです。
 中画廊から大画廊に、またがるような位置に百貨店の美術コーナーというものもありますし、貸画廊というようなものは、作家に場所を貸すもので、小画廊の領域になります。幕張メッセや東京フォーラムというものも、プロヂューサーに場所を貸す、大きな意味では貸画廊の一種かと思われます。


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