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画廊に行くようになって気がついたこと その44

 新しいメディアの登場は、これまでのメディアに向けての問い直しにつながります。写真の登場は、それまでの絵画技法の限界と可能性の問い直しにつながりました。

 絵画と写真の違いを考えてみたいと思います。

 模写、そこにあるものを伝えるという観点から見れば、写真の登場は、絵画の業界に大きな衝撃を与えました。

 手で描く絵画というのは、多くのものを取り込んで、配置して構成していきます。コラージュ、コラグラフ的なものです。
 写真というのは、あるものに焦点を合わせてその周辺から、切り取る作業です。

 絵画が、ある意味、足し算としたら、写真は、引き算です。絵画は舞台に例えるなら、大道具を並べていくことに近いかもしれません。

 写真は、写したいものを狙って切り取るのですが、面白いのは、意図しないもの、気づかないものも取り込んでしまうのです。

 無意識がテーマになっていく時代とも連なるのかもしれません。


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