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展示感想: Gallery FIELD グループ展「season」iwata mayuko Suisui 畠中 彩 4月6日(木) ~ 4月16日(日)

 FIELDのグループ展、「season」に行ってきました。ちょうど、オープニングパーティの日で、作家の挨拶、解説などもあり、非常に面白かったです。

 iwata mayukoさんは、「season」というのを季節と読み、魚をモチーフと知った作品を作成し、四季の流れのイメージを作品のテーマとして、展示に並べました。


大きく、暗がりと明るいところに大きく二つに分たれるのですが、それは、深海と水面、冬と春の両界の違いであるかもしれません。


 今回、岩田さんは箔や錆をつかった作品を展示していますが、話によると、東京では公開は初めてのようです。


 Sui suiさんは、一つの作品の中に、いくつかの手法の画像を重ね合わせるような作品です。それは、絨毯のような、キルトのような印象ももたらします。


 天寿国曼荼羅繡帳のような刺繍を使った仏画をおもわせます。

今回のグループ展で、Sui suiさんは、「season」を、種、種を蒔くと捉えています。

 中国の故事においては、流星が、火球となって轟音をたてながら隕石として堕ちてくるさまを、吼えながら駆ける犬にたとえています。

 天狗というのは、そのことをあらわしているそうで、彼女は、そのモチーフから、野焼きで〈天狗〉を作成しました。

現世の森羅万象を切り出したような彼女の世界の中に堕ちてきた隕石を大生命の種として、今回の展示の中心におきました。

畠中さんは、〈犬〉の玩具が、自分のもとに来るまでの旅の永い旅程を、時の移り変わりに当てて「season」と繋げます。


ドローイング、エッチング、メゾチントとさまざまな手法で描かれるモノトーンの作品群は、静かなカルテットの音楽のようでもあります。

三人展ですが、畠中さんとSui suiさんの犬、Sui suiさんとイワタさんの自然界、イワタさんと畠中さんの時の移り変わりと、二人が繋がると、もうひとりがずれていく、音色の違う三重奏のような、素敵なグループ展でした。

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