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親の事業を承継することは親不孝なのか。

わたしは弟と一緒に、両親が営んでいる茶屋を継ぎたいと思っています。

地域に親しまれている小さなお茶屋。

40歳の頃(2021年)、わたしは「お茶屋を継ぎたい」と父に申し出ましたが、答えはよいものではありませんでした。
その後2年くらいは本業と副業をしていましたが、勉強をして知識を得るほど、「やっぱりお茶屋をしたい」という思いが強くなりました。

わたしと弟がお茶屋を継ぎたいと言ったのは突然のことで、両親は相当困惑しているのだと感じます。

親の事業を継ぐことは親不孝なのか

【結論】今の段階では分からない…です。

「成功」や「しあわせ」の大きさは人それぞれ。

子どもに対する親の想いを、子どもが受け取るタイミングや熱量が違う。
だからタイミングと話し合いが大切!なんだと痛感しています。

両親との話し合い不足があるなぁと感じる反面、真剣に話し合いをする場面を作れずにいるもどかしさもあります。


実家のお茶屋を継ぎたい理由


実家のお茶屋の歴史

1つ目の理由は、実家のお茶屋に歴史があること。
昭和11年創業。
祖父・祖母が和歌山県海南市で始めたお茶屋。
卸売りを軸に、地元の人や企業に親しまれています。

祖母の手記には「何もなかった新婚時代。よくもここまで成長したものだ」という言葉が残っています。
小さい店舗ですが、祖父母の努力と両親の努力で続いていることが素晴らしいと思っています。

歴史は今すぐに作れるものではありません。

さらに日本茶の歴史も深く長い。
ここまでお茶屋が続く理由の1つは、日本人として日本茶を飲む習慣がなくならないこともあると思います。
これからも日本茶を愛飲する習慣は続いていくだろう。

歴史に価値があり、これからもお茶屋を続けていきたいという思いが大きいのです。

自分の商品とサービスを持ちたい

わたしは30代後半から、小さく副業を始めてきました。
多くの方のアドバイスを受けたり、オンラインサロンで学ぶうちに自分の商品やサービスを持つ事への関心が生まれてきました。
日本茶を学んで、今まで扱っていなかった商品を作ってみたい気持ちがあります。
また、これまでのわたしの経験を生かせるサービスも提供できるように、試行錯誤していきたいと思っています。

日本茶の魅力と奥深さを伝えたい

小さい頃から普段の生活に当たり前のようにある「日本茶を飲む」という習慣。
当たり前すぎて、日本茶の良さや奥深さを改めて学ぶことはありませんでした。
日本茶には
・古い歴史があること
・薬に代わるような効能があること
・癒しやリラックスを感じられること

など、忙しく暮らす現代人に本当におすすめできる飲み物なんだと実感しています。
日本茶になじみのない人に伝えられるようになるためにも、日本茶に触れ続けていきたいと思います。

親が反対する理由

言語聴覚士の資格

わたしは言語聴覚士養成校を22歳で卒業して今で約20年、言語聴覚士という仕事をしています。

約20年の間に多くの貴重な経験をさせてもらいました。

両親は
「言語聴覚士、続けるんがええよ」
「せっかく資格とったのにもったいない」
「今まで働いてきたのにもったいない」
と言います。

今後、高齢社会においてとても貴重な資格であることは自分でも分かっています。
言語聴覚士の助けを必要とする人が増えてくることも簡単に想像できます。

親として言語聴覚士をやめてまで自営業を選択することを反対しているのです。

その気持ち、分かる。

衰退している市場だから

お茶がペットボトル飲料として登場し、手軽に飲めるようになりました。
スーパーが増え、商店街や個人店が激減し、卸売りをしている実家の事業の売り上げが低下していきました。

急須に茶葉を淹れてお茶を飲む習慣も少なくなっているのも事実。

コーヒーや紅茶、ジュースなどお茶以外に飲み物を楽しめる選択肢も増えてきています。

両親は茶産業の衰退を懸念しています。

それも分かる。

経営は簡単じゃないから

・売上を上げて利益をだす。
・集客をする。
・よい商品を作る

経済の流れを見ながら経営を続けることは、本当に大変だということ。
時代が進み、多様な生活感があります。

両親は「今まで給料をもらって生活をしてきたあなたには、経営のことなんて分からない!」という気持ちでいると思います(たぶん)。
(給与所得がいい・事業所得がいいということではないのは分かっています)

事業がつぶれないように計画し、税金も払って経営をすることはとても大変だと。
両親は長年経営をし、イレギュラーな緊急事態も何度と経験してきたことでしょう。
給料をもらって安定した収入のある生活をしてきたわたしには簡単にできることではないと感じているのだと思います。

「あと10年くらい早かったらな」という父の本音もにじみます。
子どもにうまく事業を継がせるためにも、期間が必要なこともあるでしょう。
細かい手法やマインドなど、伝えることが多く複雑なんだと。

それも分かる。

【結論】親の事業を承継するのが親不孝かは分からない

両親にとって子が事業承継するという話は、寝耳に水。
わたしと弟が一方的に「継ぐんだ」という話は、親の気持ちに反することなので親不孝なのかなと思ったり。

1回きりの人生だから、チャレンジしたい気持ちが強い自分もいます。

ただ、親にとっても人生は1回。もういい大人ですが子どもの選択を心配する気持ちは理解できます。

弟とは細かく話をする機会がありますが、もっと具体的に両親と話をする必要があります。
実績を出していきながら、日本茶専門店として存在価値を残せるように。

両親の気持ちによりそい、親孝行できる状態になれるようがんばっていきたいです。

補足(関係は良好だよ)

両親ともめているということはありません。

温和でやさしい両親は、今までもこれからもやさしくわたしの進む道を見守ってくれる存在であることには変わりありません。

弟とわたしの想いも共有しながら、両親と丁寧に話をしたいと思っています。
事業承継の難しさを理解しつつ、希望や明るさもなくさないようにしたいです!


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