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2010年代ベストアルバム 100-91 @もそそ

2010年代も今年も終わりで、
この10年を振り返ろうと思ったのが今年の2月くらいで、
時間はかかるだろうなあと思ったけど、ほんとに10月くらいまでかかるとは思わなかった。

でもその間、今年の新譜を堪能しながらも、過去の音楽を再び聴くことによって音楽を聴く楽しさをより良く感じることができた。そして過去の音源を振り返りつつも、新しく聴いてみたのも結構あって、良い発見もできたし、そこまで自分に刺さらなかった作品も結構見つけることができたなど、このディケイドのベストアルバムを作るうえで、密度の濃いアーカイブが作れそうな点では、この先5年10年経ってこのランキングを振り返ってみると、「こういうものもあったなあ」というその都度、かいつまんで改めて聴くみたいなことが出来たら嬉しい。

それで今回が初回で100位から91位と、それとコメントがつくのだけれども、これはレビューというよりかは感想みたいなものなので、主観は強いけど語彙力は弱いものばかりなので、そこのところはよろしくお願いします(笑)


100. Ariel Pink - Pom Pom (2014)

Ariel Pinkの作品は基本的にそこまで刺さらないんだけど、これは結構気に入った。Pom pomってタイトルやピンクのジャケットから人を食ったような感じであるが、中身も相当奇怪なもので、まさにサイケポップと呼べるふざけたような茶化したようなおちゃらけた曲ばっか並んでいる。音的にはローファイな触感で2010年感全く無しでアリエルピンクが過去の音楽のアイデアをものにしているというよりかは遊んでいるような印象。しかしながら、17曲という大作とありながらも、どの曲も個性がありバラエティ豊富で、アリエルピンクの懐の豊富さを伺えてそこは素直にすげえなあと思ってしまった。結構こういうローファイサウンドは若干苦手な傾向にあるんだけど、どの曲も楽しめて聴くことができた。個人的にベストトラックは「nude beach a go-go」。ニヒルなスタンスながらも、アルバムを聴いてみるとアリエルピンクの奇才っぷりに驚かされる作品であった。

99. The Antlers - Familiars (2014)

アメリカのインディーロックに求める事の一つにこの作品がその需要に適っていると思うのは、アルバム全体にトランペットやサックスなどの管楽器の音が癒しになるのなんの、こういう広大なアメリカの大地を想像させるようなサウンドがとても心地よい。こういうところがUSのインディーロックの良いところなんだなと思う。そしてこの作品のドラムの音を聴いてるとちょっとジャズっぽさも感じて、まさに大人の余裕を感じる所もこのアルバムに寄せる信頼感たる理由になっているなと思った。

98. Avicii - True (2013)

2010年代のアルバム振り返るか~ってなって改めて聴いてみた時にやっぱ良いよな~ってなった作品。確かDaft Punkがget luckyを出したときに率先して反応してwake me upを出したAviciiだったなという印象であったが、そういう先鋭的な感覚もアルバムに出てて、クラブとロックのかけ橋的な存在で、2013年当時聴いた時はロックばっかで唯一EDM系で気に入ったのがコレって人も多いんじゃないか。カントリーやR&BやロックなどをEDMのフィールドで楽曲を表しており、「もっとこういう音で色んな曲を聴いてみたい」と思う人もいっぱいいたと思うと、時代を率先して良いアルバムを作ってくれたAviciiは偉大だ。

97. Hiatus Kaiyote - Choose Your Weapon (2015)

オーストラリアのネオソウルバンドの名盤。演奏隊の高いテクニックや先の読めない展開など、素人の自分にはただただ音の凄さにのめりこまれるしかないというか、ただただすごいな~と圧巻される。こういう音楽性故に、ライトリスナーには勧めにくい作品だなと思いながら、自分も難しい作品だなという印象を受けながらも、作品を聴いてると、音のうねりや、独特のグルーヴにハマっていき、頭を振ってしまいたくなるようなキャッチーさも見出せたりもして、結果いいアルバムだなという結論に至る。

96. Big Thief - U.F.O.F (2019)

最初は寝ぼけ眼で聴いてたので、眠い作品じゃんと思ってたけど、ピッチフォークで大絶賛されてるのを機に改めて聴いてみたらすげえじゃん!と驚かされた作品。全体的に乾いたサウンドに映ろげな女性のヴォーカルがのっかる感じではあるが、何が凄いかと言うと演奏隊のタイトな演奏がかなりカッコよくて、その中のエイドリアンのヴォーカルが際立っていて、その対比がクールな音楽ながらもロック的には熱くてかっけえなあ~と感銘を受ける。特に好きなトラックは「Strange」。不気味なサウンドでありながらも謎に踊れるキャッチーさもあって、怖いなと思いながらも不思議と魅力に惹かれる。ヴォーカルの感じが何となく、Radioheadを彷彿させて、演奏隊の凄さはどことなくthe Bandを彷彿させる。別にオリジナルが無いと言いたいわけじゃなく、今後もこのバンドがどういう音楽を奏でるか気になる作品と言いたい。

95. Chance The Rapper - Acid Rap (2013)

未だにミックステープって何と思うのですが、Chance the rapperのこの名作を聴くと改めてミックステープって?ってなる。つまりは完成度が高いんだ!と言いたいんだけれども、作品の印象はというと、全体的に浮遊感のあるビートにChanceや参加アーティストがラップしていって、そこに聴き続けるとカッコよさを見出して語彙力失って「いいな~」ってなるんですよね。次作以降は「多幸感」というフレーズが多用されるようになる程の、ポジティブなメッセージを感じるヒップホップになるけども、まだこの作品では次作以降のゴスペル感も無く、まだこっちが堅実にヒップホップしてるという印象もあって、こっちの作品のほうが好きっていう人もいるのかなと感じる。次作のより耳になじむキャッチーさを求めるとこっちは、その堅実なヒップホップゆえに肩透かしを食らうかと思いきや、聴き続けるとこっちもこっちで良いな!って思った。

94. Frank Ocean - Nostalgia, Ultra (2011)

次作以降に大傑作を出してるFrank Oceanではありますが、この作品ではまだ人を選ぶ音楽だなと思うけど、こっちはこっちでColdplayやMGMT、Radioheadなどをサンプリングしており、なんだかその音楽オタクっぷりに親近感を抱く。ゲームのストリートファイターもサンプリングしてるしね。次作以降と比べるとどうしても見劣りを感じながらも、NovocaineやSwim Goodはなんだかんだカッコいいトラックだなと思う。アルバムも最後まで聴き通せるし、マイナーな音楽感がありながらも、クオリティの高い作品だなと思う。バンドのサンプリングやアンダーグラウンド感漂う音の触感を通しで聴いて感じると、こういうのがミックステープの自由度の高さなんだなって理解を深められたかもしれない。

93. Owen Pallett - Heartland (2010)

Arcade FireからFrank Ocean、Haimなどの色々なアーティストの楽曲のオーケストラアレンジを手助けてきて、業界から信頼の高いアーティストによる作品。その中身も綺麗でお手本的なオーケストラをここぞとばかりに使った曲が多くて、オーケストラアレンジが好きな自分にとっては結構刺さる作品であった。昔はFinal Fantasy名義で活動してたみたいだけど、まさにその名に似合うようにファンタジーな世界観で、音だけで見ればそのままゲームやファンタジー映画に使われてもおかしくないような、完成された作品で素晴らしい。他のアーティストのオーケストラアレンジと比べるともっとクラシックに近い形になっているので、俗っぽさというのはなく、ほんとに繊細で綺麗な美しい作品だなと思う。

92. Courtney Barnett - Tell Me How You Really Feel (2018)

ロックが元気ないと言われてる時代だけど、ちゃんとよく見てるとカッコいいロックってあるよなってこの作品を見て思う。個人的には2015年の1stアルバムよりこっちのほうが好きで、なんでかと言うとこっちのほうがどちらかというとロックサウンドに泥臭さがあって、その上にノイジーなギターがかき鳴らされててカッコいいと感じたからだ。「Charity」のダルそうな歌い方、語尾を伸ばす歌い方とかはボブディランっぽくて、そういう遊び心も魅力に惹かれる。今年、2019年の音楽は平気で1時間近くの作品が多くて、そういうのと比べると40分経たずに終わるこのアルバムは、カッコよさがずっと続いて終わるので、中弛みしない分、あっさり終わって爽快で良いアルバムだなという印象を受ける。

91. Julia Holter - Have You In My Wildness (2015)

この人も聴いていて凄くて驚かされる人で、2013年に出した前作と比べるとこっちの作品のほうがインディーポップ感あって万人に受けやすい作品になってるなと思う。と言いながらも、アンビエントさ、クラシックさの要素を感じ取ると、その美しさや夢のような世界の表現に、ウットリしてしまう。それで個人的に好きなのは、こういった美しく奏でられてる音と、今回ヴォーカル面でも強い魅力があるなと感じていて、その点では前作よりこっちのほうが好きだなと思うところである。前作も好きなんだけど。さっき紹介したOwen Palletとは似てるけどちょっと違ったクラシカルで美しく奏でられてる音には、暖かさや暗さが混在していて、こういう繊細な感情のニュアンスを、このような音で表現してくるJulia Holterには圧巻される。


90位からは明日か明後日にでもやりたいと思います。

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