スノー盛りはブレスオブザワイルドする。 ~始まりの大地 前編~
──2021年12月某日、自分はハイラルの地に降り立っていた。
『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』。
これがどういったゲームであるかという事は、わざわざ説明せずとも良いだろう。大いに話題となった作品だし、存分に遊び、皆も楽しんだはずだ。
人生色々なことがあったので、自分は皆から五年ほど遅れてハイラルの地に来た。100年ぶりに目覚めた少年『リンク』を操作し、怨敵ガノンを倒すことが目的だ。
……よもやプレイ日記を書くとは思っていなかったので、スクリーンショットなどあまり撮っていなかった。なのでここからはしばらくの文章は、当時を再現した写真を添えたり、プレイ時のわくわく感を思い出しながら書きます。ごめんね。
・目覚めよう
……半裸は恥ずかしい。少女の声に呼ばれ起きた時、抱いた感情はそれだった。恥ずかしくて仕方がないので、シーカーストーンの説明もそこそこに聞き流しながら、薄暗がりの中で着る物を探す。
……あった。説明文を読む限り、ずいぶんと昔に作られた服だそうだが、選り好みはしていられない。ポーチを開いて着ることで、画面の中のリンクの半裸生活は終わった。服は文明、文明は力である、つまり具体的に言うと防御力が上がった。そそるぜ……これは……。
その後、光と少女の声に導かれ、祠の外へ。リンクも思うところがあったのか、自分が操作せずとも勝手に走り出していた。それを見守る。やがてリンクは立ち止まり、朝露に濡れて煌めく丘より広大な大地を見下ろした。遠くに見える禍々しい城、火山、吹き抜ける風と、浮かぶタイトル。
自分もリンクと共にしばし感歎に浸った後、ボタン操作して、くるりと身を返し回生の祠の中に戻ってみた。
スタート地点にはたぶんなんかある、ダークソウルから学んだことである。
・なんかいた
精霊のような生き物である彼ら(たぶん女性もいる)はコログ族。少し先の話になるが、ずいぶんとお世話になる種族である。
・恵みあふれるハイラルの地
祠から出て、辺りを散策。崖にキノコが! 喜び勇んで駆け寄ったら、近くに立つ木から何かが飛び立つ音。カメラを操作し目で追えば、虫のようなものが遠ざかっていくのが見えた。「あれも捕まえられるのかなぁ」と思いながら崖から一度離れ、木の枝を拾ったり謎のおじいさんとお話ししたり、彼が熾してくれたたき火に当たり、焼きリンゴを頂戴したり、斧を貰ったりしながらぷらぷらと歩いた。
歩くだけでなく、木に登るとさらなる発見がある。鳥の卵が巣に産み落とされていたり、リンゴが実っていたりとだ。地面にぽろぽろどんぐりを落としている木もある。
鳥の巣がある木は背の高い、果樹は背の低い……と、自然に関する知識ばかり増えていくが、これがなんとも楽しい。一歩足を踏み出す度に、気になる要素を含んだ景色と美しい自然が目の前に広がっていくからだ。幼い頃に戻ったみたいで、童心が刺激される。
自分の故郷も自然豊かな場所で、幼少のみぎりは様々な草木に慣れ親しんだものだ。ほんとぉ?
キノコ、木の実ばかりでなく、がっつりしたものも欲しくなってきた。水たまりにいたカエルは、説明文を読むにゃどうも薬の原材料であり、食材にはならないとのこと。少し気落ちしたが、湖に泳げば魚が、森へ突撃すれば猪がいた。猪は狩れなかったが、魚は掴み穫れた。『ハイラルバス』という名だった。
昔、自分が黄昏の勇者を操作していた頃、ハイラル湖ほとりの釣り堀で釣ったあの魚と同じ物な気がする。あれからどれほど時が経ったかは分からないが、変わらずハイラル中で元気にやってるらしい。
……腹が減ってきた。
・敵もいる
赤い敵がいた。リンクより低く曲がった背に、ロバを思わせるような耳。端的に言えば子鬼のような風貌をした敵が、木の枝を持ち、振り回していた。自分の方も木の枝を持っていたのでおそろいだった。双子コーデだね♡
でも赤い方はそれに対し、しみじみ考えてくれる存在でもないようで、自分達は双方枝振り殺し合う定めとなった。
決着はあっけなくついた。自分の方も、敵を倒したことに対する特別な感情はなかった。今まで数多のゲームをしゃぶり尽くしてきた自分は、「雑魚敵」を倒すということに慣れきっていた。敵の落とした牙を回収し、その場を離れ、次なる場所へと向かった。
・ごめんなさいでした
木の枝に実る、あとちょっとで手が届きそうなリンゴに向かいジャンプしていたところ、少女の声がした。「シーカーストーンのマップの示すところへ、向かいなさい」と。
しまった! 自分操る少年リンクは、ハイラルを救うために目覚めた勇者なのだった。リンゴや卵、キノコ、魚を捕り、猪を追いかけ日々をしのぐ野生児ではない。
彼を勇者に戻さねばと思い、森から離れ、開けた平原を進む。
平原は苦手だ、敵の視線を切るための物陰がないから。そんなことを考えていたら、目の前にすとんと矢が落ちた。赤い敵がリンクを狙い、放ったものだった。それを素早く拾い、戦闘は避けてある場所へ向かう。
目的地まで目と鼻の先──といったところにも敵がいた。矢を放ってきたものとは別個体の、子鬼の如き赤い敵。やつは武器だけでなく盾も持っていた。そいつの攻撃を走ってかわし、奥に見える何かの装置の元へまっしぐら。聞こえる少女の声に従い、リンクがシーカーストーンをかざすと──ゲームPVでもみた光景が繰り広げられた。ハイラルの大地中に塔がせり出してきたのだ。
その後自分は、リンクを操り『始まりの大地』というこの場所で、4つの祠探しにいそしむことになるのだが、色々長くなったので今日はこの辺りで。
残りは後編に続く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?