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期末試験の答え合わせで刻まれた「ちりげの灸」

期末テストの答え合わせをやってます。
今日の臨床医学臨床論を担当する先生は
順番に生徒を指して、試験の問題に対する答えを言わせて、
それにまつわる周辺の質問をしたりして。
その問題の答えがどうのってだけでなく、
答え合わせを通して学びを深めようとするタイプの選択をしている先生。

答えをササーっと伝えて別の話をする先生がその逆の端っこに位置をしてもらうと、
その丁寧さとササーっとさの中に先生ごとの濃淡があるわけで、
今日の先生は90分の授業を答え合わせに使う濃いー方の端っこ。

先生に指されるのって、
1年生の頃とかって、ほんとーーーにヤだったんですけど、
さすがに卒業も近くになった今は、
ツラの皮なんかも厚くなってんだかで、
ちょっとヤだな。
ってくらいにはなってるんです。ま、ヤなのはヤなんですけど、
そのやり方の方が「刻まれちゃう感」は確かにアルのは認めざるを得ないので、
ちょっとヤだけどアリっちゃアリ。

ワタシのクラスの生徒数は20人。
東洋医学臨床論は60問の試験でしたから、
3回ワタシの番がやってきます。
で、
今日も刻まれちゃいました。
刻まれちゃうのは、
「みんなの前で間違える。」
ってやつなんですよね。
ツラの皮はそこそこに分厚くなってるんですけど、
ココロの皮はまだまだ薄っぺらいんで、
間違うとチラッとですけど、
ポー。
ってなっちゃうんです。
カラダのどっかに、
ポ。
って火がついて。
その熱が顔面にやってくるんすよね。
そうすると、
ポー。
ってなっちゃう。

問題
ちりげの灸を行う経穴はどれか。
1、身柱
2、百会
3、肩井
4、足三里

これ、覚えてるんですよ。
覚えてるっていうのは、
(知らね。)
って試験ときに思ったのを覚えてるやつ。
で、勘で適当に4の足三里にしといたってのを覚えてる。
そういうヤな問題がワタシに回ってきちゃったわけです。

「はい。しゃ次、ワタナベさん」
って先生に促されて、

「えーー、4?」
って、?はてな的な感じをモリッと演出して答えたわけです。

「あーー、これねー、1なんですよね。」
って先生の声で点火です。
ポ。
って^^;

これ逆に、
(知ってる。余裕。)
って感じで自信アリアリだった問題で
それを自信満々になんの演出もなく、
「4!」
とかって答えてたら、
ボ!!
って点火しちゃいますけど、

(ちょっと自信ないんす。。)
的に答えてますから、
柔らかい点火ではあります。
でも、
ちゃんと点火したんですよね。
点火してコンロの上にフライパン置いて、
ちりげの灸って名前のチャーハン炒める時に、
間違って足三里って調味料入れたらスゲー不味かった。
「何やってんだ?オマエ?」
「身柱だろ!ちゃんと覚えとけ!!」
って厨房のボスに怒られた感じ。
で、足三里味のちりげの灸をゴミ箱にバサっと捨てて、
身柱って調味料入れてちりげの灸を改めて炒めてみて、
「食ってみろ。」
ってボスがいうんで食ってみたら、

(んまい)
って納得する感じ。

もう絶対間違わない。
忘れない。
ちりげの灸には身柱。
って刻まれました。

身柱って経穴は
左右の肩甲骨の間の真ん中あたり。
正確には胸椎の3番と4番の間のくぼみ。
無茶苦茶泣いてる幼児をお母さんが抱っこして、
背中をさすってあげたり、
ぽんぽんぽんって柔らかく叩いてあげるところ。
大人同士だったら、
色々あってストレス溜まりまくってる友人の背中をぽんぽんと叩いて
「大変だったな。」
って声をかけてやる時のあそこです。

赤ちゃんを抱っこするお母さんの手のひら、
友人を励ます仲間の手のひらの
真ん中にあるのが身柱という経穴。

ちりげの灸とは、
疳の虫【かんのむし】
に対する治療法。

そこにお灸はしたこともしてもらったこともワタシはまだないんですけど、
でも、
アルっちゃアルなと。
誰かにさすってもらって、叩いてもらって、
誰かもさすってあげたり、叩いてあげたりして、
身柱という経穴を通じて、
手の温もりが通じる。
それで、
疳の虫が治る【おさまる】

今日、刻まれちゃったと思ってたのですけど、
もう、刻まれてるんですよね。
人類は自然に身につけてる。
ちりげの灸。
という治療術を。


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