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住民投票は 究極の民主主義??

都構想を推し進める市長さんや知事さんたちは、住民投票を「究極の民主主義」と繰り返し述べていますが、果たしてそうなのでしょうか?

特別区設置協定書(以下、協定書)をご覧になった方にはご理解いただけると思いますが、非常に難解かつ専門的で、しかも相当なページ数になっています。学校や消防を含めると4万人近くが働いている大阪市の業務をバラバラにしようというのですから、ボリューミーになるのは当たり前ですね。

投票する人すべてが、これを読み、十分に内容を理解したうえで、投票をするのであれば、それは、民主的かもしれません。しかし、多くの方のいわゆる『大阪都構想』に関する知識は、協定書に基づくものではなく、マスコミを通じた市長さんたちの発信をイメージとして受け取っているだけではないでしょうか?現状を「悪」と決めつけ、構想は「改革」であるという前向きなイメージを元に。

協定書の中身については、例えば、大阪市会で議論されていたように、地域生活に密着し、かつ、大阪市の福祉行政の一翼を担ってきた社会福祉協議会のあり方などが未定となっています。また、保健所を各特別区に設置し、4か所にすると言っているのに、保健所が備えるべき組織の保健衛生検査所や放射線技術検査所などの配置や高額な機器の購入・設置は未定として、協定書の移行時に必要な額に積算すらされていないことが判明しています。

移行された時の資産(実際にくれる)で購入しろとでも言うのでしょうか。さらに当局は、そうした現時点で未定の項目について、『大阪都構想』の住民投票が可決して以降に検討していくとしており、何ら見通しのないまま、投票のみが実施されようとしています。

このように、分厚い協定書をもってしても決まっていないことが他にも多数存在しています。

市長さんたちは、こうした未定の事項について、どう説明するのでしょうか?

「大都市地域における特別区の設置に関する法律」においては

「選挙人の理解を促進するよう、特別区設置協定書の内容について分かりやすい説明をしなければならない」

とされており、文面通りに理解すれば、決まっていないことも含めた説明が必要です。「聞かれなかったから説明しなかった」なんていうことがもしあれば、一般にそれは「詐欺」です。

究極の民主主義が、究極の詐欺、なんていうことにならないか、ほんとうに、心配です。

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