見出し画像

身近に潜む危険

人は如何なる時に危険を強く感じるのか。様々な考え方があると思う。例えばそれは、未知のものに遭遇した時だったり、理解の及ばない何かを感じた時だったり、他にもたくさんあると思う。

では、最近貴方はこのような危険を感じた事はあるだろうか。私はあった。

今、多くの人々が危険を感じる事と言えば、急速に広がる感染症だと思う。しかし私が感じた危険はそんなものでは無い。もっと別のものだ。

では、それは何なのか。

「練乳」である。

「練乳」、もしかしたら食べたことのない方もいるかもしれないので簡単に説明するが、濃くて甘いねっとりとした牛乳の様なものである。甘くない苺とかに付けて食べると美味しいよ。糖尿病には気をつけようね。

と、ここまで聞くと、なぜそんな甘くて美味しいものに危険を感じるのか、分からないであろう。私も最初は分からなかった。でも人生何が起こるか分からないっていうしね。そういう事だよ。

つい3日ほど前のことだった。私は家に一人、すべき事もせず、ただ暇を持て余していた。もうお昼ご飯も食べ終わってしまっていて、これから惰眠でも貪っちゃおうかな〜なんて考えていた。

そんな時、ふとYouTubeで観たお菓子作りの動画を思い出した。それは少ない材料で美味しい生チョコを作ろういうもので、私でも簡単に出来そうだった。

材料は、ココアパウダーと、そう、練乳である。

この時、我が家にはバレンタインデーのお菓子作りで残った大量のココアパウダーがあった。そして、親戚からずっと前に貰った大量の練乳があった。

これは消費する為にも、作るしかないと、そう思ったのだ。

やる事が決まった時、暇人の行動は早い。なぜなら暇だからだ。即実行だ。計りと皿、ボウルなんかを用意して、ココアパウダーと地下の奥底に眠っていた練乳を引っ張り出してきた。この時点で嫌な予感は少ししていたが、私は常々語っている様にアホなので、まぁ大丈夫だろうと信じていた。アホであることは毒にも薬にもなるのだ。まぁ大概毒にしかならないが。

キッチンに持ってきた練乳は、ボトルが少し凹んでいて、これを使い切るには何回生チョコを作ればいいのだろうと途方にくれる様な量であった。だが、最近は便利なもので、冷蔵庫というものがある。これがあれば開封してもしばらくは保存が効くはずだ。だから私は迷う事なく蓋を開けた。この時、蓋に明記されていた賞味期限は16.8.12であった。

少し話が逸れるが、今現在、大人気のジャンプ漫画がありますよね。そう、「鬼滅の刃」です。面白いですよね。主人公が段々と強くなっていく王道な展開が、逆に新鮮な感じがして、私は好きです。主人公は鼻がとても優れていて、「臭い」で敵を認知したりします。そうです、「臭い」です。きっとここに主人公くんがいたら、「酷い臭いだ!」と我が家に乗り込んできたでしょう。

ただよう刺激臭。この臭いを、言葉で表せる程の能力は私には無かった。強いて言うなら、夏場、運動でかいた汗が染み込んだ体操服を、数日放置して、それに更に汗を染み込ませて放置するのを繰り返した様な……端的に言って、食べ物の匂いでは無かった。臭いを嗅いだ瞬間、えづいた。えづく瞬間、チラリと見えた中身には、オレンジ色の丸い「何か」が見えた気がした。

そこからの記憶は朧げである。急いで蓋を戻し、ビニール袋で二重に包んで、ゴミ箱にシュートした。もちろんその後、家にたまたまあった生クリームで生チョコを作ったわけだが、作っている最中も正直食べる気が起きなかった。それだけの衝撃だった。

何が言いたいのか。賞味期限が大幅に切れているにもかかわらず、常温で保存しているようなものを安易に食べようとしてはいけませんよ、という話です。ただそれだけです。

ここからは完全に余談ですが、賞味期限が11.06.18だった、冷蔵庫に保存された練乳は食べても大丈夫でした。冷蔵庫はやはり偉大ですね。真似しちゃダメですよ。ちゃんと賞味、消費期限は守って食べましょうね。まぁ私はこれからも懲りないでしょうが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?