見出し画像

brainwashing

やや不穏だし用法的にもちょっと違うんだけど、まぁお笑い芸人の片割れの騒動なんかでもそういう風に使われてたし、あれはそういうことだったんだろうなぁと振り返れば思えるので、タイトルはこのままにする。
あと、前回のKの話も含め内容が事実と異なるかも知れない。特に時系列が怪しい。意図的なフェイクではない。理由は後述する。

前回前振りしたHなる人物。Kが不在の間に初めてトライした伝言ダイヤルで繋がった相手で、当時たしか5歳ほど上で、この人もまた職に就かない人だった。自称フローリストで「花屋に勤めていたが今は辞めて勉強のため休職中」だとのたまわっていたが、少なくとも会わなくなるまでの間、一切仕事はしていなかった。と思われる。
自宅の隣のブロックに住んでいるというので徒歩5分で訪問。当然の流れで一夜を共にし、向こうは一夜限りのつもりだったようだが、またリレーションの維持に固執する癖が出て、翌日も訪問をして驚いた(後日遠回しに言われた)顔をされた。これがステージ2のスタートボタンで、なんら疑念を持たずにポチットナしてしまった。Kの事ですっかり摩耗して判断能力が鈍っていたのだろう。

同情を買うだとかいうつもりはなかった。とにかくこの惨状を誰かに知ってもらいたかった。なので何度か訪問する間、Hには包み隠さず話したと思う。多分これがHからカモられることになった原因。定職に就いている・(不足であるとはいえ)Kを住まわせる程度の経済力・クレジットカードが持てる程度の信用力があるといったことが目の付け所だったのだろう。Kの追い出しについて積極的に助言をしてくるようになった。
追い出し後に、嵩んだ市外通話の料金は支払い不能に陥って民事裁判となり、Hはそれに付き添ってくれたり、Kの実家やK自身への回収の手伝いをしてくれたり、汚部屋の掃除を手伝ってくれたり、身辺整理に積極的だった。だがその裏には「借金や物品購入の原資」「(車があるので)発展活動のためのアシ」の確保という目的があった。

借金や物品購入の原資

俺のファッションセンスにケチをつけてくるようになった。服を買いに行こうということになり、俺の服とともに自分の分まで選んでいた。会計の段になって「(来るはずもない)給料日に返す」と俺のクレジットカードで全商品会計。
電気ガス水道が止められてしまうと何度となく無心され、俺の手持ちがなければキャッシングまでして貸与。
なんらかのライフイベント(失念)で東京行くというので航空券購入(後日発展旅行であったことが判明)
枚挙に暇が無い。気付けばKなど比較にならない額の債務を背負っていた。

発展活動のためのアシ

セックス依存症レベルの発展狂い。無職だけに時間だけはあるからか。打率は相当悪いようだったが。
当時、野外発展場として有名だったいくつかの某公園に毎夜のように付き合わされた。ゴールデンタイムが深夜故、解散が朝方になることも多かった。慢性的な寝不足で、仕事中居眠りをする事もあった。慢性的な寝不足は判断能力をさらに鈍らせた。
土曜の夜、24:00頃、いつも通り発展公園へ行こうとなって車に乗り込んだ時、思いつきのように函館に行こうと、朝市に行こうと言い出した。片道6時間。往復500㎞強。夜は現地のゲイバーに。手回しのよろしいことで、あらかじめ「札幌から二人で遊びに行きます」と伝言ダイヤルを入れていた模様。思いつきじゃなかった。日曜の内に札幌に帰れるはずもなく、月曜の朝にデキた相手の前で会社に電話し、親族が亡くなったと嘘をついた。
発展場に行かない日はH宅でおしゃべりに付き合わされた。俺のタイプは知っているので(今思えばどれもこれも架空の人物だが)友達の彼氏が俺の超理想であると様々なエピソードを聞かせてきた。逢いたがってるとも言った。非実在の人物に恋愛感情を抱き、相当に情緒不安定だったろう。

ここまで書いたら気付くかも知れない。俺は完全に洗脳状態にあった。エピソードは到底書ききれない。数的にもそうだが、挙げてきたような断片的なエピソード以外、この期間においてほとんど記憶が無いのだ。これまでKやHとの絡みが何歳頃の話で何年続いたとか書いてこなかったが、覚えていないので書けないのだ。覚えている事象には、おそらくは洗脳のメソッドが満載で、これを書いている今も背筋が寒い。
よく自力で抜け出せたものだと思う。抜け頃はこの辺かなと思われるのが、原因不明の大病(本当にあらゆる検査をしても病因がわからず、診断書にはとりあえずな病名がついた。)で入院した時。Hが足繁く面会に来ており、用事を替わってもらうこともあるので病院に駐めていた車を貸したりもした(おそらくは発展活動に使われていただろう)が、手持ちの現金が少なくなりキャッシュカードを渡して引き出してきてもらったことがあった。退院当日、入院費支払いのために銀行に出向いたが、口座はカラになっていた。これだけで抜け出せはしなかったが、さすがにキレた。
キレて不信感を持ったことがトリガーになったのだろう。やや時間がかかったが、不信感は日を追うごとにどんどん膨らんで、付き合うのがどんどん嫌になっていき、やがて会わなくなった。居留守を使ったり、俺の部屋に向かう途中のHを車から見つけて気付かなかった体で走り去り「無視したでしょ」と電話がかかってくるまでになった。
こうして、後には何倍にも膨れあがった借金と、社会死寸止めのポンコツになった俺が残されていた。

再び、「なんだったんだろう」と思った。
借金がどうなったか、それはまた別の話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?