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「なんだったんだろう」

どーも計算が合わないなぁ…まずは前回の訂正からせねばなるまい。

公開後にあらためて確認(先にやれってのね)したら、就職したのは平成3年の4月らしい。つまり、平成元年はまだ学生だった。そして成人した年(完全に年齢バレ)でもある。
成人式といえば出席しなかったなぁ。ギリギリ数日前にスーツを買いに行き、しっかりトレンドを反映した足首が見える裾をひらひらさせながら腐れ縁の中学の同級生二人を拾って車で向かったのだけど、まーどいつもこいつも呼んでもなかなか家から出てこない。会場に着いた頃には式は終わってて、帰る人の波をかき分け記念品だけもらったったわ。

で、続き。
翌年、平成2年、他人の人生を左右してしまうレベルでやらかしてしまった年だった。このやらかしまでは、クラスの中でもまぁまぁメジャーポジションにいたと思っているが、調子コいて、方言を使えばおだって、自分で自分の足を掬って転落した格好だ。いや、カースト的な考えは好かんのだけど、そういうこと。
端的に言えば内緒事の暴露。当事者は二人いて、結果一人は学校を辞め、もう一人からは仲間数人とともに軽くヤキを入れられた後に村八分となった。ヤキと言ってもそこはお互い成人。殴る蹴るの暴力ではなく、傍目には雪中プロレスごっこでじゃれ合っているように見えたろう。
入学間もない頃にこの人の持ち物盗難事件があって、俺がスーパーハカーよろしく拙いプログラミングによって犯行の証拠を突き止め奪還した事があった。それを恩に着てくれていたとしたら、同じ人間から恩も仇も受け、さぞかし葛藤もあったろう。状況が許せば殴りたかったはずだ。本当にすまない。
「お互い」成人なんて書いちゃったけど、アチラはハタチにして立派に大人の対応だわ。俺が幼稚に過ぎる。その後卒業まで暗く過ごそうが、文句を言う筋合いじゃない。
叶わないけれど、学校を辞めてしまった人と学費を出したであろう親御さんには心から謝罪したい。ごめんなさい。

話が前後してしまったけど、就職の経緯は前回書いたのですっ飛ばして、K関連の話をもう少し。
仕事をするようになると当然のごとく帰りが遅いことも多々あるわけで、あらぬ疑いからいっぱしにヤキモチを焼くようにまでなり、仕事でヘトヘトになって部屋に帰ってくると不機嫌なKの相手をしなければならなかったりでどんどん消耗していた。
手前は一日中部屋に一人でいるものだから、日中寂しいからと言ってペットショップから子猫をもらってきたりしていた。「商品¥2,000以上お買い上げの方に雑種の子猫あげます」みたいなすごい商売してる店が近所にあったのだ。引き取るのにも料金取ってるので、猫を右から左に受け流すだけで二重三重に売上が発生するという銭ゲバの鑑。
知ってる人は知ってる、子猫は一匹買いするとものすごい暴れん坊である。仕事とKの相手でさらにヘトヘトになり床につくと、夜になって元気出てきて騒ぎまくる猫に足を噛まれるなどして眠れない日々が続き、消耗が加速していった。
知ってる人は知ってる、猫は自分より幼い猫がいるとお兄さんお姉さんぶって大人しくなるのである。なので、今度は俺の意思によってもう1匹もらってくることになった。ペットショップ、ガッポガッポ。
で、猫には飽きたのだろうKはまた寂しさを募らせ、知り合うきっかけとなった内地のホストで内地の男相手に浮気(と言っていいのかどうか知らんが)していた。市外接続料金なんのそので。
そして誰の金でか知らんが、その内地の男に逢いに行ったであろう1週間かそこら部屋を開けることがあり、鬼の居ぬ間のなんちゃらではないが、俺は古の伝言ダイヤルを利用するようになっていた。市内料金で。
(ここで次回の前振りだが、この伝言ダイヤル活動で、地獄ステージ2よりの使者であるところのHに食いつかれることになる。)
生活費全て俺持ちの上に要らぬ電話代がかさみ、補填のために借金するまでになり、財政は破綻寸止めだった。
そんなキワキワの状況にある時、部屋に俺がいると勘違いして訪ねてきたハハとKがエンカウントしたらしい。実家は目と鼻の先にあるのだ。そりゃ照明点いてたら俺が在室していると思うわな。当然「部屋にいるの誰?」って話になり、一時は適当に誤魔化したものの誤魔化しきれるものでもなく、ゲイ云々のこと(そこは死守した)以外はある程度白状せねばならなかった。そうしてエンカウントに危機感を持ったであろうKは、内地の男のところに転がり込む算段を立てはじめた。なので程なく俺もハハから命を受けた体で「いついつまでに出て行ってもらうように言われた」などと期限を切った。

その翌朝、Kは最低限の持ち物をたずさえ、恨み言と捨て台詞(覚えていない)を吐いて、逃げるように出て行った。
後には、出勤前だというのにフヌケになった俺と、猫2匹と、汚部屋が残されていた。

「なんだったんだろう」と思った。

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