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中国史を知るためのはじめての文章の本は、「故事成語」の本がおすすめです!

こちらの続きです。

中国史を学ぶ入門は「故事成語」!

 漫画・小説と来て、いよいよ、中国史を知るために文章を主体とした本から学ぶための入門です。

 ここまで来た方は、ネット上にある歴史解説動画を見たり、簡略な歴史解説記事をお読みになっているかもしれません。

 ただ、どうしてもそういった作品や記事をお作りになった方やお書きになった方は、歴史解説や文章のプロの方ではありません。
 案外、文章が分かりづらかったり、史実なのかジョークなのか分からなかったり、誤解や風説にまどわされていたり、作り手・書き手の思いが入りすぎていたりすることが多いです。

 実際、歴史をネットで学ばれ、発信される方は、ある人物の「推し」や「アンチ」の流布、ご自身だけで考えた歴史の独説を「布教」させようとする人もかなりいます。
 また、そこから来た風説を史実だと思い、紹介する方も相当に多いです。

 そこで、歴史を「学ぶ」ためには、やはり、専門の学者か、学者の本を元にして分かりやすく文章のプロのライターの方がお書きになった本をお読みになることをおすすめします。

 私も、子供の頃は、歴史関係の漫画を読んだ後、「故事成語」の解説本を購入して何回も読み返していました。
 そのときも「故事成語」辞典みたいにただ、言葉の意味とその出典を解説するよりも、かみ砕いた文章にされており、丁寧な解説を加えていた方がよみやすかったです。

 「故事成語」は現代でも漫画や小説でも多用されますし、実社会でも使われることはあります。これを機会に知っていても全く損はありません。また、「故事成語」は中国史でも有名なエピソードに絡むことが多いです。
 その意味だけではなく、生まれたエピソードとその背景を知れば、自然と中国史に親しむようになります。

 そこで、私が確認して、「これは分かりやすいのでは」と思った書籍を紹介します。
 購入しやすいように、電子書籍が存在する本だけを選びました。
 実は、私が昔、読んだ本も電子書籍で復刻していました。うれしいですね。

すっきりわかる! 超訳「故事成語」事典(PHP文庫)

 有名な故事成語200近くを選んで、それぞれ、イラストや歴史地図を加えて、背景とエピソード、それに絡む話題でわかりやすく紹介しています。
 何気に私が知らない故事成語もありますし、故事成語の本は古代(漢代まで)からの出典に偏ることもあるのですが、こちらはそれ以降からも採用しています。
 簡単な人物事典もあるようです。

故事成句でたどる楽しい中国史 (岩波ジュニア新書)

 こちらは、長い中国史をわずか232頁で説明しながら、そこから生まれた故事成語に関わるエピソードをまじえて、説明した本です。
ただし、殷・周・秦・漢と言われる王朝のいわゆる古代の話が「中心」です。

 『小説十八史略』を読んだ方には物足りないかもですが、教養として、学説的な解説をまじえているので、補足的な内容にもなりえます。

中国の故事・ことわざ (現代教養文庫ライブラリー)

 私が昔、読んだ本です。オンデマンドでは高かったのですが、電子書籍で普通の値段で買うことができます。
 故事成語の解説が丁寧に分かりやすいです。
 実際、この本を読んだ後、似たような故事成語の本を探しましたが、当時の私には難しく、同じような本がないことにがっかりした思い出があります。
 出典も古代に偏らず、唐の時代から来る故事成語の説明もなされています。

「故事成語」を知れば、中国史は学びやすくなります

 ここでは3冊のみを紹介しましたが、漫画で解説する本や詳しい事典も多いです。
 興味を持たれた方はさらに「故事成語」から中国史を学ぶきっかけにされると分かりやすいのではないでしょうか?
 「故事成語」に詳しくなれば、「中国史」のみならず、「中国思想」に通じることは間違いありません。

 amazon Kindle Unlimitidに入会していれば、無料で読むことができる故事成語の本も紹介しておきます。
 こちらは、『史記』と春秋戦国時代の諸子百家の思想書が出典の中心です。ただ、文章が固くて、確かに現在の私が読んでもすいすいとは読めません。 

最後に

 ここまでの「故事成語」の本を知れば、かなり中国史を学ぶ土台はできたと言っても間違いないでしょう。

 ネット上の歴史好きにすら、知識のある部分では上回るところも生まれてきているはずです。動画サイトのコメント欄になら、書き込んでも問題ないレベルに達していると思います。

 次は、「中国史」入門の本の紹介です。こちらでお勧めしているのも3つもしくは、4つのシリーズのみです。

 故事成語を知って、むしろ、「中国思想」の方が知りたくなる方もいらっしゃるかもしれません。故事成語の出典はかなりの部分が「諸子百家」が唱えていた言葉です。
 さらに深い理解が得られるでしょう。


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