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歩みは濡れて

息をする雨の中に
花が色をつける場所

やがて朝も昼も夜も
境もなく錦は織りなす

足音は雨音と一つとなり
屋根を叩く紫の糸紬

傍に立ち手を振る姿
川面を霞め錦を置く場所

私は息をするたびに

私が姿をあらわして

私の息の大きさに

私の肺は満たされる

声を出そうか泣いてしまうか
笑い合おうか目を反らそうか

私の色は決められているのか
私は衣を脱ぎ捨てたいか

濡れて迷うは潤う呼吸
群れていようと孤独な私

紫 陽 花 とバラバラに
あじさいと読んで呼ばれるこの姿



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