ホロスターズは不人気から脱却せよ!![後編]

本記事は「ホロスターズは不人気から脱却せよ!![前編]」の後編となります。

前回はホロスターズが「アイドル」という看板のせいで男性ファンを遠ざけているという現状について語った。「アイドル」であるがゆえに、活動内容がわかりにくく、集客に失敗しているという話だ。

今回は窮地に陥っているホロスターズ(以下ホロプロ)がどのような策をとっていくべきなのを考えていきたい。

「アイドル」という看板に変化を

現実の男性アイドルというマクロな視点に立ってみよう。

国内の男性アイドル市場のほとんどが某事務所によって長らく独占されてきたことで、男性アイドルは女性アイドルに比べて保守的な環境に置かれてきた。
女性アイドルがアイドル戦国時代と形容され、その差別化を迫られたのに対し、男性アイドルは「歌って踊れるイケメン」かつ某事務所所属であれば安定した成長が見込めたのである。

Vtuber業界に当てはめて考慮すると、にじさんじからデビューすれば男性ライバーでも本人の実力に関わらずそれなりのファンが獲得できる。それが箱の力というものだ。
対して、箱の力を持たないにじさんじ以外の男性ライバーこそ戦国時代のような形相をなしている。したがって、

今の男性ライバーに必要なのは差別化である。

「アイドル」という看板で寄り付くファンは雀の涙ほどであり、「アイドル+α」を掲げていくべきなのだ。

差別化① ゲーム

「主役は我々だ!【グルッペン・フューラー】」氏は登録者65万人の有名ゲーム実況者だ。なんと彼ら、pixivでのファンアートが2万点もある。他にも「キヨ。」氏は登録者約260万人のゲーム実況界の鬼才であり、彼もpixivで2万点近くのファンアートが投稿されている。

男性ゲーム実況者というのはやたらと女性ファンに持ち上げられるのだ。

「アイドル」としての活動が立ち行かないのであれば、いっそ「ゲーム実況者」として活躍してしまえばいい。ゲームの腕を上げれば、男性ファンの目にも留まる。

「アイドル」は副次的な要素で構わないのだ。

差別化② 歌唱力

歌い手の人気の秘訣はここで語るまでもない。音楽というコンテンツを存分に活かし、結果的にファンも歌い手もWin-Winの関係になっている。

ホロプロで言うなら、律可氏がそれに当たるだろうか。実際に彼はホロプロの中で最多の登録者を抱え、プロデュースが功を奏している。
にじさんじで言うなら緑仙氏だ。彼の歌ってみた動画は記録的な再生回数を誇り、にじさんじの新規獲得にも一役買っている。

ただ、ゲーム実況もそうであるように、歌唱力は一朝一夕で身につく技術ではない。がむしゃらに歌ってみた動画や実況動画だけを投稿しても、反響が来ないことも十分考えられる。

差別化③ 企画力

企画力というのはライバーに欠かせない。ただ、ゲームをしてトークをしているだけではファンは飽きを覚える。ホロライブも同じだ。

案件動画だろうと、面白い企画であれば伸びるし、大型コラボでも企画がつまらなければ想定以上の集客は見込めない。ごく当然の話。

この業界において、男性という優位性は尊重されない。女性ライバーは「女性だから」という理由で支持されるかもしれないが、男性ライバーはそんな一筋縄には行かない。
ジェンダーレスな能力が男性ライバーにとっては不可欠である。

差別化④ 需要を創造する

自分の得意なことで需要を満たすということだ。
いくつか例をあげよう。

ホロライブの宝鐘マリン氏はイラストに定評があり、それが魅力にもなっている。私も、マリン氏の普段の配信を見逃すことはあっても、絵描き配信は必ず見ている。

「ギルド【幽焼け一派】」氏はライトノベルの中でも「クソラノベ」と呼ばれる低評価なライトノベルを紹介するというチャンネルだ。ライトノベルの中で、あえてクソラノベの書評をすることでエンタメ性を交えたことがウケたのだ。

また、「バーチャルエコノミスト 千莉」氏はVtuber業界や話題のVtuberを行動経済学などの視点から鋭く分析し、タメになる動画を提供し続けている。最近では、ホロライブの桐生ココ氏のアドバイスを受けて、エンタメ要素も取り入れた動画作りに注力している。

上記二名が仮にVtuberでなくても多少の需要があっただろうし、おそらく私も見ていただろう。

イラストでも音源制作でも何かしらVtuber以外の需要を満たせばいいのだ。
二足のわらじを常とせよ。

コラボで勝機を掴む

前回、私はホロプロとホロライブのコラボへの反対意見を述べた。

コラボは大方需要が合致したファンがいる状態で行われるべきで、例えば「トミカ」と「ストロングゼロ」がコラボして人が流れるわけがない。

いちからが「VΔLZ(ヴァルツ)」をデビューさせ、女性ファン獲得に本格的に乗り出したことは記憶に新しい。これを皮切りとして、にじさんじが女性ファンの牙城となってしまえば、それこそホロプロの完全敗北である。また、いちからは国内の海外人気――日本のVtuberを見に来る海外のファン――をホロライブから奪おうとそそくさと計画を練っているはずだ。

今が正念場だ。

にじさんじに入った以上、VΔLZも異性コラボは避けられず「アイドル」売りが困難な状態にある。男性ファンがそうであったように、異性コラボを避ける女性ファン層が確実にいるはずだ。そうしたファンの心をつかめばこちらのものだ。

ホロプロのファンでにじさんじを知らない人は少ないが、にじさんじのファンでホロプロを知らない人は多数だ。今、VΔLZのメンバーとコラボすれば確実に人が流入する。好都合なことに、VΔLZのメンバーはやたらめったらコラボしている。箱外コラボとかこつけて盛大に売名してやればいいのだ。

にじさんじの男性ファンがホロライブに流れたように、にじさんじという箱を新規獲得に目一杯利用すればいいのだ。
「笑い」に特化した男性ライバーには負けてしまうだろうが、「アイドル」売りならホロプロの専売特許だ。女性ファンを多く抱える男性ライバーに真っ向から何度も何度もぶつかって、コラボした相手のファンを吸収すれば、それがトリガーとなって対抗勢力になりうるはずだ。

ユニット売りの現状

ユニットは、関係性売りも可能になり十分需要は見込める。

にじさんじの叶氏と葛葉氏のユニット「ChroNoiR(クロノワール)」は熱狂的な女性人気を獲得し、ガチ恋勢(リアコ)も現れている。
彼らは「アイドル」売りを成功させた数少ない男性ライバーであり、ホロプロも彼らを見習ってこのようなユニットを生み出していただきたい。

しかし残念ながら、「RIZnote」(奏手イヅル氏と律可氏のユニット)も「TriNero」(ホロプロ3期生のユニット)もユニットとしては完成しているものの、磨ければまだまだ光る逸材のような気がする(私の主観です)

運営の機能向上

箱推しも単推しも運営のYoutube公式チャンネルはチャンネル登録しているという人が多い。公式チャンネルはファンにとってハブになりうる。

漫画でも、3Dショートアニメでも投稿すれば箱内が活気づくはずだ。ホロライブとまでは行かずとも、もう少し頻繁に更新して活力を持っていただきたい。

ちなみに、ホロプロのbilibili公式チャンネルは3万近いファンを抱えている。bilibiliの相場はあまり詳しくないが、ホロライブのbilibili公式チャンネルのファン数が約38万(Youtubeよりやや多い)なので、ホロプロは中華圏を活動の軸足にするんだろうか。気になる。

まとめ

1.差別化を図る
2.別の需要を満たす
3.需要の合致したファンを持つライバーにコラボを仕掛け、ファンを流入させる。
4.ホロプロ運営はユニットプロデュースに注力し、公式チャンネルを存分に活用する。

ぜひ忌憚なき意見を聞かせていただけるとありがたい。以上だ。

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