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味一の炒飯。


朝起きて、カップ蕎麦を食べた。昨夜「そばもん」を読んでいたからだろう。



私は筋金入りの漫画オタクだ。特にグルメ漫画はかなり読んでいる方だ。


そばもんは、もちろん蕎麦の漫画である。

主人公の矢代綾はナガレの蕎麦職人、祖父が江戸蕎麦の達人だったが店は継がずに全国を巡りながらそば会を催したり知人の店のヘルプをしたりして生計を立てている。

この漫画の良いところは、基本的にそばに関係ないことは一切出てこないところだ。主人公の恋愛もなければ後継問題やライバルが出現したり・・・などのありがちな展開が一切なく、すべての話が蕎麦に関すること。王道の江戸そば回もあれば地方でご当地蕎麦を取り上げることもある。また、日本の蕎麦の歴史を掘り下げるときもあれば日清を題材にカップ蕎麦をテーマにすることも。この蕎麦に対するストイックすぎる内容で20巻も出ているのだから、蕎麦にめっちゃ詳しくなれる。


私の行きつけは近所の蕎麦屋なので、その知識を持って酒を飲み蕎麦をたぐるとまた違うというもの。いつしか私にとっての「イツモノ」はコロ抜きになった。「イツモノ」は単純に異世界居酒屋のぶの「イツモノ」、である。のぶも名作でまだ続いているので、お腹を空かせたい人はぜひ読んでほしい。




さて、コロ抜きの話だ。蕎麦屋のメニューには「抜き」というものがある。もしメニューに載ってなくても、頼めば作ってくれる。よくあるのは天抜き。なんてことはない、天ぷらそばの「蕎麦を抜いたもの」である。



つゆに天ぷらだけが浮かんでいる、なんとも珍妙な食い物。初めて見たときは「なんて雑な食い物なんだ」と思った。

甘辛いつゆに天ぷら、つまみにとても良い。私のよく行く蕎麦屋では鴨のコロッケの抜きがあり、メニューには「コロ抜き」と記載してある。ちなみにコロッケ蕎麦はメニューにない。

蕎麦屋のつまみは冷たいものが多いので、温かいものを一品となるとコロ抜きがベストなのだ。甘辛い汁を吸ったコロッケのほくほく感がたまらない。



今日の話に戻ろう。

寝起きでカップ蕎麦を食べたので、今日は蕎麦屋に行くことはない。そういえば昨夜もそうめんを3束食べたので、ちょっと麺類はこりごりだ。とはいえ早めの昼だったので夜は割とお腹が空いていた。

そのときふと、炒飯が食べたくなった。家で作るものじゃなく、ラードを使った店のやつがいい。このへんだと日高屋か、と思いつつ、嫁に相談したら味一が食べたいと言う。


味一とは不動前-目黒間にある中華屋で、私は仕事で隣の109に行くことがたまにあるので今までも何度か行ったことがある。たしかに、味一の炒飯はめちゃウマだ。あとタンメンも美味い。なお、映像業界で「マルキュー」「109」といえば渋谷ではない、目黒だ。もしくは四谷だ。都心では数少ない広いスタジオだ。タレントは近いから目黒109を指定することもある。私も目黒109に行くときは自転車だ。


109御用達、というか109の隣、味一。出前もやっていて、マルキューで編集のときは味一の出前を頼むことも多いが、自宅はギリギリ出前の範囲に入ってないので届けてくれない。もう200mほど行けば届けてくれるのだけど。


たしかに、しばらく味一食べてない。撮影もないしポスプロで109を使うことも少なくなった。味一、食いたい。天気は優れないが、ちょうど雨も上がったところだったので子供を乗せてチャリンコで向かう。店内は8割ぐらい埋まっていたが、一つだけテーブルが空いていた。


頼んだのは炒飯セット2つと皿ワンタン、ビール。セットはサイドメニューを豊富に選ぶことができる。今日はハーフ油淋鶏と半ラーメンと焼餃子。子供は炒飯とラーメンをシェアして食べる。


炒飯、うますぎる。久々だったがなんたるうまさ。一応、東京五大炒飯に数えられるらしい。知らんけど。


皿ワンタンもタレ濃いめでビールによく合う。高い焼肉とか行くより、B級グルメのマジ旨の方が満足度が高いのはコスパのせいじゃない気がする。とにかく酒との相性が良すぎるのだ。なぜこうも美味いのか、味一の炒飯。脂っこいわけでもない、肉や卵が多いわけでもない、一見パサパサであんまりビジュアルは良くないんだけど、謎の旨さがある。絶妙すぎるバランスだ。


サウナ上がりにビール飲んでこの炒飯食ったら最高だろうな・・・と一瞬脳裏をよぎったが、近隣にサウナは無いから難しそうだ。

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