熊、リス、魚

昔々山の奥に体の大きな熊が住んでいました。
熊は毎日お腹が減ると川に行って、魚をお腹いっぱいになるまで食べていました。
ある日熊がいつものように川で魚を食べていると、リスがやってきました。

「くまさん、そんなに食べたら魚さんがかわいそうだよ。」

熊は魚を夢中で食べ続けながら

「じゃあ、リス君は僕が何も食べられなくていいっていうのかい?」

リスは慌ててこう答えました。

「そうじゃないさ。木の実をたべたりすればいいだろう。そしたら誰も悲しまないさ。」

熊は呆れた顔をして魚を食べ続けました。

「リス君、君はなにもわかってない.....」

食事を終えて、立ち去る熊の後ろで魚たちが話し合いを始めました。

「今日も熊さんが体に着けてきた餌のおかげで僕たちはお腹いっぱいだ。これなら子供たちもお腹いっぱい食べられる。熊さんありがとう。」

立ち去る熊を見つめながらリスは川の横に落とし穴を作り始めるのです。

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