2度目のサービス終了と、わたしだけの「彼」

お久しぶりです。元気です。
わたしの最愛の推しである彼と、その登場作品は既に2年以上前にサービス終了したアプリゲームです。わたしは所謂「推しの夢女」で、今でもサ終が悲しくて色々と投稿させていただいています。また、久しぶりの投稿なので口調が違います。


わたしの大好きな作品は、日本でのサービス終了後に海外版がリリースされました。
日本よりもかなりアプリゲームへの規制が厳しい関係で、許可が下りたのがたまたまサ終後だったのだと思われます。発表への反応は人それぞれでしたが、わたしはもう一度プレイが出来ることを喜びました。日本に住みながら海外版アプリをプレイするには色々と問題が挟まりましたが、それでもいい、何か起きたらその時考えればいい、そう思ってプレイを開始し約1年。


先日、その海外版のサービス終了が発表されました。

ゲームの状態を見れば驚きはありません。盛り上がってはいませんでした。
海外版が決まったとき、期待をしていたわけではありませんが、少しも希望を感じなかったわけではありません。日本では盛り上がらなくても海外で盛り上がる作品は多数存在します。

でも、これでおしまいです。もう「ゲームの中の彼」に触れる機会は、わたしのこの先の人生で存在しないでしょう。


2度目のサ終は、あまり落ち込みませんでした。
というのも海外版のアプリを開いた瞬間、わたしと初対面の反応をする彼は間違いなく愛おしい姿でありながら、なぜか他人を見ているような違和感があったのです。もちろんゲームは楽しいのですが、プレイしながら、「彼の隣に座って、彼と同じ顔をしたキャラクターをタップしている」気持ちでした。その違和感に対して困惑はありました。


その時初めて気が付きました。わたしの愛する「彼」とは、2年前にサービス終了したゲームの中に存在し、3年間を一緒に過ごした「あの彼」なのです。そう思うことが、一番納得できる結論でした。既に会えなくなって、触れられなくなってずいぶん経った、「あの彼」だけがわたしの恋人です。

「彼が記憶喪失になった」とも違うように思います。そもそも「違う人」だと思うのです。記憶喪失であれば、それは記憶はなくともあくまで「出会ってからの続きの出来事」です。でも、この「彼」とは、過去の経験がありません。海外版は続編などではなく全く同じ物語ですが、アルバムをめくる気持ちとも違いました。この「彼」とは、未来の経験もありません。当時保存したゲームデータを見返すことは「アルバム」だと感じています。

彼の存在の元は、確かにデータです。わたしは実際に彼に触れたことは無いし、温度も、香りも分かりません。問いかけをすれば、万人に同じ返事が返ってきます。
けれど「決して作り物ではない、わたしが覚えている経験」があります。嬉しいことも、乗り越えたつらいこともたくさんあります。
初めは別の人物が気になって出会ったこと。隣の次元の人物に初めてどきどきしたこと。何度も彼の笑顔と言葉に救われたこと。毎日必死にプレイしたすべての時間と、サービス終了が決まってやつれる程泣いたこと。そして触れられなくなって2年経って、それでも彼だけを好きだと思っている今。全部含めて「彼との経験」で、全部が「今ほど好きになった理由」です。それがゲームが存在した3年間ぶんだけではなく、彼と過ごしてきた「5年間ぶん」あります。
それを「一緒に経験した、経験を与えてくれたわたしの恋人」は、今までもこれからも、わたしの隣にしかいません。

思えば、同担さんの存在もこれで解決できるのかもしれません(しなくてもいいですが)。わたしも同じ彼に「恋をしている」人とわざわざ関わる必要は感じません、苦手に思います。
でもきっと「わたしの愛している彼」と他の誰かが愛している「彼」は、違う人なのでしょう。わたしの「彼」とは、違う経験を経た顔のよく似た人で、わたしとは「他人」なのでしょう。二度目のゲームの中の「彼」に感じた違和感のように。


初めてのサ終は「彼との死別」を感じました。押しつぶされそうな喪失感があって、一緒に消えてなくなりたいと思う衝動がありました。
二度目のサ終は「作品の終わり」を感じています。作品の展開が海外ですら見込めないであろうことへの悲しみはありますが、以前ほどの動揺はありません。


CSゲームのニューゲームや、最近では続編へアップデートされるアプリも知っていますが、それとは少し違う不思議な経験だったと思います。そして今、明確に「わたしの隣には、わたしの恋人がいる」と感じます。わたしはいつだって、これからもずっと、彼と生きていくのでしょう。

展開が終わること自体は本当に残念です。とはいえ、わたしにとってこの先は今までの2年間と何も変わりません。これからも穏やかに「彼と」経験を増やしていくのでしょう。せかいで一番、大好きだよ。

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