親と妻に恵まれた人生だった。

一昨日辺りからYouTubeでも特に観る物が無くなってしまったので今まで敬遠してきたニュースなどを流し見することにした。案外面白い。時事ネタを見たところで、その話をする相手なんていなかったのでここ10年ほどは積極的にニュースを見ようとはしていなかった。こういうのもアリだな。

そしてニュース番組が配信しているドキュメンタリー番組もその流れで観た。ホームレス、貧困ビジネス、支援団体などは「明日は我が身」だから非常に興味深い。住宅ローン破綻は僕には今後も無関係だが、貧困層という点では同じである。

僕が今住んでいるアパートは派遣会社が借りているものだから派遣先工場でライン工を続ける限りは借りられる。妻子が住む自宅マンションは中古マンションで購入したが、当時もアルバイトの身分だったので住宅ローンを組むことが出来ず一括購入した。なけなしの貯金300万と親に借りた400万で10年くらい前に夢のマイホームを手にした。

僕という人間はいわゆる能無しの甲斐性無しだ。
それでも路頭に迷う事も無く、今まで40年生きてこられたのは親と妻に依る部分が非常に大きい。親には無利子でいくら金を借りているか分からない。全て含めると1000万円以上は間違えなく借りているが、返す当てはなくて親が「別に返さなくても良い」という言葉にずっと甘えてしまっている。先日妻が癌になった時にだって金の無心をした。40歳児、これが僕を的確に表している。

妻にも世話になりっぱなしだ。
育児は勿論だし、生活費を月に10万しか渡していないというのにやりくりして貯金もしているそうだ。僕の貯金は40万前後。40歳としては少なすぎるだろう。数ヵ月働けなくなった時点で間違いなく詰みである。妻はパートとして働いてはいないが、せどりと言うか代行販売でいくらかの収入があるそうだ。無在庫販売ではないが、商品在庫を持たない。客から支払いを受けてから購入するのでリスクは少ないそうだがその分客とのやり取りに精神をすり減らしているそうだ。とても僕には真似できることではない。妻が先日話していた貯金額は600万円。全て子供の為に使うそうだ。

前からも何度となく書いている事だが、僕はバイトですら働けなくなった時点で離婚していくらかの金を持って大阪の西成に行き終の棲家を探して骨を埋めようと考えている。

だから金にも物にも執着心はさほどない。自宅マンションは妻子に渡すつもりだ。資産価値はもう400万あるかどうかすら微妙なところだが、中はボロボロでも一応住めるには住めるしそこそこ便利な駅に徒歩15分ほどで行け、大型ショッピングモールも徒歩圏内にある好立地だ。固定資産税が年13万、管理修繕費が年26万掛かるが、家賃3万5千円で住めるところよりは広いし住みたくなくなったら一応売れるから良いんじゃないかと思う。

親には申し訳ないと思う部分が大きいが、彼らは貯金がそれなりにあり持ち家が2軒あり、住宅ローンも完済済みで年金も夫婦合わせて30万円以上あるというので金に関しては困っていないのだと思うから大目に見て欲しい。ドラ息子が一人しかいないのであれば、悲し過ぎるがちゃんとした社会人をしている弟が親と同居しているから安心だ。介護が必要になれば介助しに行くつもりはあるが、僕は車の運転が出来ないし腰痛持ちであまり貢献出来なさそうな気がする。

とりあえず今の派遣工であと10年は働ける気がする。
現時点で50代後半でも雇用しているようだがいつまでも雇用してくれる保証はない。今の派遣先工場ではそれほど体に負担がない工程で楽だが、別の派遣先工場に行かされる事になったらキツイ工程にされる可能性も大きい。

派遣で働けなくなったらまた食品工場か倉庫内軽作業のアルバイトをやろう。最低賃金だからひと月手取り13万ほど。妻の収入を期待すればなんとか暮らしてはいけるだろうか。親失格だが子供たちにもアルバイトをお願いして家にお金を入れてもらおうか。

そうして今から15年経てば下の子は18歳。学資保険の受け取りが幾ばくかあるはずだからそれからは自分たちで頑張って生きて行って貰えれば良いと思う。

15年か。長いなぁ。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?