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呼び覚ます③~天のおとうさま~


ある日、高い空の上で、営みを行ってまぐわいを済んだ男女のカップルがいた。

カップルの女性の胎内には、たくさんのこれから生まれ出でようとする光の魂のたまごたちの姿があった。

その数は何十億倍にも膨れ上がっており、胎内の中で楽しそうに嬉しそうにたまごたちは泳いでいた。


胎内の中で大切に育み愛されて、愛され過ぎるくらいに愛されて愛されまくりまくっていた光の魂のたまごたちは、やがて月が満ち足りた時に大きな翼を背中に携えて、生まれ出でる準備を整えていた。


美しすぎるほどのまばゆい光の輝きを放った魂たちは皆、それぞれの決めた生きる場所を目指して、その場所へと突入していったのだ。


窮屈な○の中に閉じ込められていたような月日も終わりが近づいてきて、○の外の広い世界の中へ飛び出していく準備に入った。


そして隠れ忍ぶようにして、その魂の真ん中から生まれ出でようとする、ひとつの宝石のような光ったものが見えていた。



❇️  ❇️  ❇️  


〈この宝石みたいなものは何の宝石なのかなぁ?〉


そこにいた魂は、そう呟いていた。



《それは、おまえの中から出でようとする宝石なのだから、大切に大事にして育てていきなさい。》


天からの声が聴こえてきた。



〈大切に、大事に育てていったら、何かに変わるのかな?この宝石、ピカピカ光ってまぶしいよ。
まぁるいかたちをしているよ〉



《自分が望む女の子が生まれ出でようとするのだから、大切に、大切に、可愛がって育てていきなさい。》



〈女の子に変わるの?この宝石のまるいかたちが?ヒトに見えるの?すごいなぁ~〉



《女の子と言っても、場合によっては男の子もあるかもしれないのだ。

おまえは自分の中からその宝石を見つけたのだ。

天から伝えなくとも自分でその宝石のありかを見定められたのだ。

見つけなければいつまでもその宝石はおまえの目の前には現れてはくれないのだからな。


宝石の種類は皆それぞれで違うのだよ。いくつもの素晴らしい宝石をひとつずつ箱の中に入れて蓋をして皆の魂に持たせたのだよ。


宝石の入った箱の蓋を開けるタイミングは皆それぞれで違う。自分のタイミングで開けるようになっている。

その宝石はただ持っているだけで眠っていれば輝かないのだぞ。一生懸命自分自身を磨いて魂の輝きが内から放たれ出してきたら、箱の蓋を開ける時がやってくるだろう。

その宝石を大切に、大事に可愛がってあげなければ、輝きは見る影もなく薄れ、消え去ってしまうのだよ。

自分の中に眠る宝石💎の存在を、見失うことがないようにするのだぞ。》



〈わかりました~~~!
大切に、可愛がりま~~~す!〉


その魂は、天から聴こえてきた声にそう返事をしました。



《おまえは可愛いなぁ。
生まれてからもいつまでもその無邪気な愛らしさを忘れないようにな。》



〈はーーーーい!わかりました~~!
天のおとうさま!〉



♡  ♡  ♡


魂は無事に生まれ出た。

スムーズに、一定の時間をかけながらこの世界へと舞い、登場してきた。



〈さあ!
これから長くて短い旅が始まっていくよ!〉






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