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企業経営入門:スタートアップに必要な経営力

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上場・未上場に拘わらず、成長が期待される事業/スタートアップを中心としたビジネス関連の面白いnoteをまとめます
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#資本政策

なぜSmartHRはユニコーンになれたのか

TAKA(@Murakami_Japan)です。今日は日本のスタートアップ・エコシステムにとっても、自分自身にとっても記録すべき日だと思いましたので、突然ですが筆をとりたいと思います。 本日、私自身も2018年から経営に伴走させていただき、2019年からは株主としても支援させて貰っているSmartHRが資金調達のリリースを発表しました。これまで何度も資金調達のリリースは見てきましたが、今回はいつもとは少し異なる感情も芽生えています。 それはSmartHRがユニコーンの仲間

攻めのコーポレート、攻めを支えるガバナンス

TAKA(@Murakami_Japan)です。ウクライナ情勢が心配な今日この頃です。今回は単なる一国を巡るお話しに留まらず、今の世界の在り方に問いかけを投げかける、そんな事件です。政治や歴史、地政学的なお話に加えて、経済的なお話も各メディアで報道され、この状況下では、まず状況また影響度の把握に奔走している企業も多数ではないでしょうか。 世界にとってリスクイベントが起きるたびに、状況早くや守りのお話が支配的になります。そんな時に企業経営において大きな差が出てくるのが、コーポ

リスクオフ局面でも成長性を加速する「掛け算」の経営

TAKA(@Murakami_Japan)です。資本市場はコロナ、半導体不足でもリスクオンを続けていましたが、目下の金利上昇、ウクライナという世界のマクロイベントに対しては脆く、一気にリスクオフ局面に入ってきました。そんな時だからこそ、事業のファンダメンタルズを成長させることができるかが重要になってきます。短期的な市場からの評価はもちろんのこと、リスクオフ局面を抜けた後に大きな差となってくるからです。 日本からも徐々にユニコーン企業が生まれてくる素地が整ってきました。ユニコ

株式市場の調整がもたらすスタートアップへの影響

TAKA(@Murakami_Japan)です。米国の利上げによる長期金利動向を背景に、米国でハイテク株の株価調整が始まり、日本でも昨年11月以降新興企業の株価調整が一気に進みました。株式市場ですから、一定のボラティリティがあることは前提ですし、それ自体は長い目で見れば目新しいことではないでしょう。ただ、株式市場の動向がスタートアップへどのような影響をもたらすかはまた別問題です。単なるボラティリティに留まらない可能性があります。今日は2022年を占う意味でも、昨年末からの調整

IPOの役割が危うい:成長企業の資本政策について考える

TAKA(@Murakami_Japan)です。 最近いくつかマザーズ上場企業の「IPO後の」資本政策についてnoteしてきました。先日、条件決定したBASEの資金調達(詳細は下記noteご参照ください)もその一つですが、上場後の資本政策(資金調達や売出)の事例が充実してきたことで、結果的に以前より議論になっていたマザーズIPOについて議論する必要があるように感じています。先に結論から申し上げると「マザーズIPOの役割が危うくなっている」と思います。 要はこういうことが起

Makuake:海外募集による資金調達の狙い

TAKA(@Murakami_Japan)です。本日、Makuakeが約40億円の資金調達を実施しました。私のnoteをご覧いただいている方にとっては、「おっ、またマザーズ上場企業が資金調達か」と思ったかもしれません。それだけポストIPOスタートアップの資本政策が進化していると言うことです。今回、ABBというスキームで調達しているのですが、ABB(後段ご覧ください)という言葉ですらやや知名度が上がってきている今日この頃です。 では早速、今回の資金調達の狙いについて見ていきま

米メルカリ事業の成功をバランスシート視点で考える

TAKA(@Murakami_Japan)です。今日はメルカリについて気になってたことを書いてみます。メルカリは会社も大好きですし、サービスもヘビーユーザーですので愛着しかありません。 いきなり結論から言うと、今「メルカリ経営陣はめちゃめちゃ難しい経営の舵取りを迫られている」、と考えています。この難しさの根源にあるのが、バランスシートを主とする財務戦略です。公開情報をざっとみただけの考察なので、かなり粗い点はご容赦下さい。なお、この投稿は個人的な考察に過ぎません。決して投資