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企業経営入門:スタートアップに必要な経営力

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上場・未上場に拘わらず、成長が期待される事業/スタートアップを中心としたビジネス関連の面白いnoteをまとめます
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#ガバナンス

なぜSmartHRはユニコーンになれたのか

TAKA(@Murakami_Japan)です。今日は日本のスタートアップ・エコシステムにとっても、自分自身にとっても記録すべき日だと思いましたので、突然ですが筆をとりたいと思います。 本日、私自身も2018年から経営に伴走させていただき、2019年からは株主としても支援させて貰っているSmartHRが資金調達のリリースを発表しました。これまで何度も資金調達のリリースは見てきましたが、今回はいつもとは少し異なる感情も芽生えています。 それはSmartHRがユニコーンの仲間

【新体制】事業成長を先回りする経営体制の進化が会社を飛躍させる〜SmartHR〜

本日、私も社外取締役を務めるSmartHRが大きな発表を行いました。それについて書いてみたいと思います。まずは徒然なる文書をお許しください。 私と玉木さんと森さん玉木さんが2018年にCFOに就任された直後あたりから、私もアドバイザーを務めせていただき、もう5年以上になるのかと感慨深い発表がありました。玉木さんがnoteで書いておられる転換点となるシリーズCにてリード投資を務めさせていただき、私にとっても大きな転換点となったように思います。 玉木さんがCFOとして初のEQ

日本のO/Sアップデートする:アカウンタビリティとガバナンスが変える人材と組織

村上誠典(たかふみ)です。日本復活の鍵、日本から新産業創出し、外貨を稼ぎ賃金を引き上げ、持続可能な社会のリーダーになる。そのためには「日本はO/Sからアップデートしていく必要がある。アプリケーションの議論だけしていても仕方ない。」と日々申し上げています。では実際どうやっていくのか考えていく必要があります。今日は、そのヒントになる重要なテーマとして、「アカウンタビリティとガバナンス」がどのように日本の人材と組織に影響を与えているかについて書いてみたいと思います。 日本の悪き文

【基本理解】スタートップのストックオプションあれこれ

今日はスタートアップといえばストックオプション、ということでそんな話題について書いてみたいと思います。 なぜ、今更こんな投稿としてみようかと思ったかと言うと、スタートアップの社会的重要性が高まってくるに従って、このシンプルすぎるインセンティブ設計だと難しくなってきたなと感じているからです。 実際、報酬制度自体、正解が簡単に見つかるわけでもなく、上場企業も最適解で運用できているところは殆どないのが実態です。スタートアップにおいては、典型的ストックオプションのみ一般化していま

Elon MuskによるTwitter買収、その後のシナリオ

TAKA(@Murakami_Japan)です。Elon MuskによるTwitter買収提案から一夜明けました。日本時間の昨日金曜日に報道をみて、ざっと書き留めたものは昨日のトピックスに投稿していますので、良ければまずはそちらを見てみてください。 早速次の動きが出てきました。初動としてTwitterの取締役会が買収防衛策の発動を全会一致で決議しました。予想屋になりたいわけではないので、あまり予想めいたことは(思っていても)書かないようにしてますが、この動きはある程度予想で

攻めのコーポレート、攻めを支えるガバナンス

TAKA(@Murakami_Japan)です。ウクライナ情勢が心配な今日この頃です。今回は単なる一国を巡るお話しに留まらず、今の世界の在り方に問いかけを投げかける、そんな事件です。政治や歴史、地政学的なお話に加えて、経済的なお話も各メディアで報道され、この状況下では、まず状況また影響度の把握に奔走している企業も多数ではないでしょうか。 世界にとってリスクイベントが起きるたびに、状況早くや守りのお話が支配的になります。そんな時に企業経営において大きな差が出てくるのが、コーポ

なぜSmartHRは社長交代を決断できたのか

TAKA(@Murakami_Japan)です。先日12月8日にスタートアップ界隈を駆け巡ったニュースがありました。日本を代表するスタートアップであり、ユニコーン企業の1社であるSmartHRの代表(社長)の交代です。2021年6月に約156億円のシリーズDを発表しユニコーン企業の仲間入りをし、11月25日にForbes起業家ランキングで宮田社長が第一位を獲得した、その直後だったからかその衝撃は想像以上に大きなものだったように思います。 特にTwitter等SNSで拡散され

成長に不可欠な経営の「誠実さ」とは

TAKA(@Murakami_Japan)です。以前、経営者にとって最も重要な素質は「誠実さ」だと書いたことがあります。今でもそれは変わりませんが、今日は企業経営における「誠実さ」とはどういうものか、もう少しプロセスに落とし込んで書いてみたいと思います。一人の経営者、従業員としての誠実さと、ガバナンスの観点も含まれているので、そんなことに興味がある人も是非読んでみてください。 誠実であることを示すプロセスいきなり結論から書きます。「認知」→「言語化」→「議論」→「判断」→「

取締役会アジェンダを見直せば経営力が向上する訳

TAKA(@Murakami_Japan)です。今日は取締役会という、企業や社会そしてそこで働く人にとって大変重要であるにもかかわらず、経営に関わるごく一部のメンバーしか参加しないため、中々一般的な認知が高まらないテーマについて少し書いてみたいと思います。 取締役会の運営については、色々なTipsが存在します。今日は敢えて「アジェンダ設定」のみについて書いてみたいと思います。 「え、なんでもっと取締役会について知りたいこと沢山あるのに、なんで?」と思った方も多いと思います

IPOの役割が危うい:成長企業の資本政策について考える

TAKA(@Murakami_Japan)です。 最近いくつかマザーズ上場企業の「IPO後の」資本政策についてnoteしてきました。先日、条件決定したBASEの資金調達(詳細は下記noteご参照ください)もその一つですが、上場後の資本政策(資金調達や売出)の事例が充実してきたことで、結果的に以前より議論になっていたマザーズIPOについて議論する必要があるように感じています。先に結論から申し上げると「マザーズIPOの役割が危うくなっている」と思います。 要はこういうことが起

【徹底考察】スタートアップが成長に応じて考えるガバナンス要点

TAKA(@Murakami_Japan)です。先ほどclubhouse(@takamurakami)でスタートアップ・ガバナンスのルームをやったのですが、そこで私が話した内容のメモです。 問題意識としては、昨今スタートアップ・ブームは歓迎すべきことではあるのですが、プロダクトやPMFといった事業よりの話は巷にあふれているものの、コーポレート・ガバナンスについて語った情報は少ないと思います。また、多くの解説が2015年から導入されているコーポレート・ガバナンス・コードを意識

上場企業のガバナンスで形式よりも大切なこと

TAKA(@Murakami_Japan)です。 ガバナンスって聞くと大袈裟で難しそうですが、寧ろできる限り簡易に整理できたらなと思い、筆をとります(でも実際は言うほど簡易になってないw)。 もともと、ガバナンスって、日進月歩のテーマで専門家でも様々な意見がある分野で、まだスタンダードも確立されきっていません(言い過ぎ?w)。だからこそ、法的な整理だけではなく、実務的な整理、またできる限りシンプルに議論してみることが大事かなと感じています。なんとなくこれを読んで、ガバナンス