背中を押すものはなんだっていい。

いろいろと面倒を見てきた後輩が、めでたく円満退職する運びとなった。めでたい。入社2年目となり、ようやく次のステップへ行く段階だった。遠方での新居となるので、残念ながら退職する。まだ入籍はしていないらしい。これから決めていくとのことだった。よかった、いい人に巡り会えて、結ばれる、最高だ。

上司とうまくいかず泣いた日も何度もあった。頑張っているけど空回りする。周りとのコミュニケーションもうまく行かず、スタンドプレーが続いて、やがて孤立してしまった。可愛がられるタイプではなく、甘え下手でもあって損な生き方だったかもしれない。

この先、このままの状態でどうしていくのだろうかと側から見ていたが、終わりは突然やってきた。結婚するので辞めます。ほんの2ケ月前には、これからもご指導よろしくお願いします、と言っていた後輩だったが、あっさり辞めることになった。

もう少し早めに申し出た方が常識的だったが、何とも後輩らしい。

たった1年だったけれど、こんなにもハプニングが起こるのかと毎日毎日が驚きだった。アドバイスもフォローも、次の日には、忘れているかのような振る舞いに戸惑い、ようやく慣れてきたところだった。

人生何か起こるか本当にわからない。向いてないと言われながらも、もっと吸収したいと前向きな姿勢で頑張りつつ、辞め時を模索していたのかもしれない。

そんな後輩の背中を押すものはなんだっていいのだ。人生はタイミングと決断だ。大きな決断をした後輩を笑顔で送り出そう。



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