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【企業分析】2585ライフドリンクカンパニー/コスト増を価格転嫁できるか

※ 本内容は2022/9/10時点の記事をWordPressからnoteに移行したものです

我が家もヤフーショッピングで大量買いしているLDCブランドの飲料水メーカーであるライフドリンクカンパニーを分析します。同社は製造品目を水・炭酸水・お茶の3種類に絞った少品種大量生産とペットボトル容器を原料から内製化した低コスト製造に強みをもつ飲料メーカーです。ペットボトル樹脂等の原材料と物流関係のコスト高騰要因を価格転嫁できるのかを中心に分析したいと思います。


ライフドリンクカンパニーのコスト構造分析

出典:ライフドリンクカンパニー 有価証券報告書より筆者作成

有価証券報告書からわかる情報をもとにコスト構造を分析しました。いくつか補足すると、商品仕入れ先は有報の「主な資産及び負債の内容」の買掛金の個所に仕入れ先名称が記載されており、そこから製造委託先を特定しました。材料費に関しては同じく有報の主な資産の原材料のところと、有報前半部分の事業等リスクの「原材料調達」の個所から特定しています。

これを見ると、ドリンクのコストの大半は物流関係のコストと容器関係のコストであることがわかります。物流費高騰のリスクを抱え、これをいかに低減するかが課題です。変動費/固定費の分解も私見で分けてみましたが、変動費要素が強いことがわかります。固定費のレバレッジで爆発的に利益が増えていくビジネスではないですが、規模が増えれば製造委託先や原料メーカーからのバイイングパワーは増えます。事業等リスクにも書かれていますが、原料価格上昇という大きなリスクをはらんでいます。そして、価格転嫁できるか否かがポイントですが、低価格であることが同社の優位性であることからなかなか値上げという選択肢は難しいように感じます。また販売先の6割が小売のプライベートブランド向け(イオントップバリューや業務スーパーの神戸物産が主な販売先)である点も値上げを不安にさせる要因です。

ところで、原料であるはずの「水」のコストが調べてもわかりませんでした。工場で採水しているのでしょうか?それとも仕入れているのでしょうか?コストはほぼゼロなんですかね。

出典:ライフドリンクカンパニー 有価証券報告書

ファンドのロックアップ解除には要注意

ライフドリンクカンパニーは2021年12月21日に上場していますが、売り出し後もSunrise Capitalが大株主であり、同ファンドには上場後360日間のロックアップがかかっています。ロックアップが解除される2022年12月15日以降はファンドも売ってくるでしょうから、その点は考慮しておく必要があります。

出典:ライフドリンク カンパニー(2585):IPO上場情報 | 庶民のIPO (ipokabu.net)

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