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法制審議会諮問 答申はいつになるのか

令和3年2月25日衆議院予算委員会分科会

公明党 伊佐進一議員

本日質問の機会をいただきまして有難うございます。
次に日本の家族法制について大臣に質問させていただきたいと言うふうに思います。特にとりわけ離婚に伴っての養育の在り方についてであります。あの累次に日本は国際社会において、この家族法制において色んな指摘がなされております。欧州議会の決議もありました。あるいは首脳レベルで会談した時にも指摘があったと、日本の家族法制度についての指摘。つまり日本人の親が一方的に子どもを連れ去って会わせないと。まぁ国際的にはハーグ条約と言うのがあって、そこはしっかりとこの法の保護がかかっていると言う状況でありますが、国内では当然適用されないと言うものであります。こうした国際社会からこの状況を累次にわたって指摘をされておりまして、勿論誤解に基づくものもあるかもしれませんが、やはりこれは国内制度の問題だ、課題だという点もあると思います。こうしたEU決議はじめとして様々な子の連れ去りに対する国際社会の指摘に対して、国内の法制度について抜本的に議論を進めていくべきじゃないかと思いますが大臣いかがでしょうか。

上川法務大臣

あの今ご指摘をいただきました通り、昨年の7月の欧州議会におきましても日本における子の連れ去りの決議が採択されるなど、我が国の家族法制度について国内のみならず海外からも様々なご意見が寄せられていると承知をしております。父母の離婚に伴う子の養育の在り方等につきましては、父母の離婚後の養育に伴う深刻な影響でありますとか、また子の養育の在り方の多様化等の社会情勢に鑑みまして、子の利益を確保すると言う観点から、幅広く検討を行う必要があると言うふうに考えております。そこで今月の10日でありますが、私から法制審議会に対しまして、離婚及びこれに関連する法制度の見直しについて諮問を行ったところでございます。今後の検討は法制審議会の議論の見解に委ねられるわけでありますが、離婚後の親と子の交流の在り方を含めまして、離婚に伴う子の養育の在り方について、チルドレンファーストの観点から充実した調整審議がなされる事を期待しているところでございます。

伊佐進一議員

今大臣の発言でありました、このチルドレンファーストと、今回の諮問の内容と言うのは子の利益の確保の観点から、様々幅広く議論していただくと言う事になっております。あのとりわけ私が関心がありますのは、その中でも養育費の確保であるとか、あるいは面会交流であります。先ず事実関係ですが、この諮問113号と言われていますが、この答申はいつぐらいに、つまり結論はいつぐらいになるかと言うところを先ずご答弁いただきたいと思います。

小出邦夫 法務省民事局長

お答えいたします。あの今回法制審議会に諮問された、離婚及びこれに関連する制度の見直しでございますが、国民の家族生活に与える影響の大きい大変重要な課題であると考えております。この課題に関しましては、平成23年の民法改正の際に国会において親権制度や養育費、面会交流の課題について検討を求め付帯決議がされておりまして、以後法務省として必要な調査検討を行ってきたところでございます。父母の離婚後の子の養育に関する我が国の法制度につきましては、近似国内外に様々な意見があるところでございまして、法制審議会ではこれらの意見を踏まえた上で幅広い検討が行われること承知しております。そのため、現時点でお尋ねの答申の予定を申し上げる事は困難でございますが、事務当局を務める法務省民事局と致しましても、法制審議会において、スピード感を持って充実した調査審議がされ、出来る限り早期に答申をいただけるよう努めて参りたいと考えております。

伊佐進一議員

スピード感を持ってと、これ大臣がおそらくあの、記者会見の場でもスピード感を持ってと言う風に言っていただいたと思いますが、是非あのこれ、どういう風な形になるか、注目している方々も多いです。スピード感もって議論をしていただきたいと言う風に思います。その中で一つあの、報道にも出ていました、共同親権の話です。これも議論に上がっていると聞いておりまして、今現状日本は単独親権しかないと。単独親権しかないのは主要国では日本のみと言う状況でありますが、この共同親権については、じゃあどういう議論がなされるかについて伺いたいと思います。

小出邦夫 法務省民事局長

お答えいたします。父母の離婚後の親権制度につきましては、父母の離婚に伴う子の養育の在り方に関わる重要な課題の一つであると考えております。ご指摘の共同親権の問題につきましては、離婚後も父母の双方が子どもの養育の責任を負うべきであるとして共同親権制度を導入すべきと意見がある一方で、これを導入すれば離婚後に子どもの養育に関する事項に必要な判断が適時に得られなくなるなどの慎重な意見も御座います。この問題につきましては、国民の家族生活にも大きな影響があるものでありまして、引き続き幅広い観点から十分に議論されるべき課題であると考えております。今後の検討は法制審議会の議論の展開に委ねられるわけで御座いますが、離婚後の子の養育に関する父母の関与の在り方につきましては、法制審議会において幅広く、また実態に即して充実した調査審議が進められるものと認識しているところで御座います。

伊佐進一議員

まぁ今答弁いただいたのは、オープンで色んなメリットデメリット含めて議論しましょうと言う事で少し報道見ていると誤解に基づく報道もあって、早速日本は共同親権を導入すると言うような中で、反対運動のようなものも起こっておりました。あの、このまま日本が共同親権になるんじゃないかと。で、今のご答弁ですと、今までそもそもこの法務省で共同親権について、その是非も含めて議論をした事がなかったので、まぁ今回それをオープンな場でやりましょうと言うふうに理解をしております。
次にこれ先ほど申し上げました養育費或いは面会交流の取決めについて伺いたいと思います。面会交流の頻度、或いは養育費をどれぐらいにするかと言う事を決めるに当たって、あの民間のADR紛争解決する機関もあります。ただ今殆ど現状は、殆どの事案は家庭裁判所の調停に持ち込まれていると言う現状であります。ただあの調停に掛かる期間と言うのが、長くなってきていると言う指摘があります。また同時に事案事態もより複雑化してると言う指摘も御座います。こういう状況の中で、この家裁での審理と言うものを、より丁寧に適切に進めて欲しいと言う声があります。この家裁の審理の在り方、ここ見直して強化をして欲しいと言う声に対しての見解を伺いたいと思います。

手島あさみ 最高裁判所家庭局長

お答え申し上げます。委員ご指摘の通り、丁寧かつ適切な審理を含めまして家庭裁判所の手続きが様々な変化や利用者のニーズに常に的確に対応していく事が出来るよう不断に在り方を見直し、取り組みを進めて行く事は大変重要な課題であると認識をしております。とりわけ家事調停手続きにつきましては、今般の感染症への対応を契機として、従来の運用にとらわれず、改めて調停の本質利点に立ち返り、面会交流や養育費など、様々な事件の特徴や当事者のニーズも踏まえまして、一層合理的かつ充実した在り方を検討、実践すると言う取り組みが現在各家庭裁判所で進められていると承知をしております。今後も家庭裁判所が調停委員や家庭裁判所調査官と多様な職種を持つ、それぞれの強みを活かし、利用者のニーズに応える形で十分に紛争解決機能を発揮出来るように引き続き支援をして参りたいと考えております。

伊佐進一議員

今現在検討をすすめていると言う事でありました、この検討を受けて、しっかりと現場が変わっていく事を期待したいと言う風に思いますが、さっき申し上げたようにこの現状は地方がその調停を担っていると言う状況でありますけど、これ民間によるADRもあるにはあるんですが、非常に少ないです。あの弁護士会でやられているところもあったありとか、あとは民間の公益法人が一部担っているようなところも御座います。ただこれ私見てると、全て司法でなんでもかんでも委ねていくと言うのは限界もあるんじゃないかなと言う風に思っておりまして。この民間のADRを中立な立場で民間のADRって言うのが関わっていくって言う事も重要じゃないかと言う風に思っております。こうしたこの養育費、または面会交流の取決めの中で民間ADRの充実を図るべきだと思いますが、政府の支援、是非お願いしたいと思います。

小出邦夫 法務省民事局長

お答えいたします。父母が離婚する場合に養育費や面会交流など、子どもの養育に関する必要な取り決めを行う事、これは子どもの利益の観点から重要でございます。その取決めを行うには、父母間の協議、或いは裁判手続きのほか、ADRの手続きを活用する事が考えられます。法務省ではこれまでも法務大臣の認証を取得した民間ADR機関を紹介するパンフレットを配布したり、法務省のホームページで家事事件を取り扱う認証ADR機関の一覧を掲載したりするなど、ADR手続きの活用に向けた周知広報に取り組んできたところで御座います。また法務省の担当者も参加しております、家族法研究会におきまして、子どもの養育に関する取り決めを支援する観点から民間ADR機関の利用を促進するための方策が取り上げられまして、検討されているものと承知しております。今後とも離婚問題を取り扱う民間ADR機関の更なる周知、活用を含めまして、父母の離婚に伴う子どもの養育の在り方に関する課題について、しっかり検討を進めて参りたいと考えております。

伊佐進一議員

有難うございます。あのこれおそらく時間的に最後の一問となるかもしれませんが、あの私ある方の体験を伺っておりまして、この方今離婚されて、一人親として子どもを育ててらっしゃる女性の方なんですが、やはり最初色々な葛藤もあって、別れたこの父親には子どもを会わせたくないと、会わせられないと言う思いがあって、ところが、あるきっかけで会わせるようになったと。そうすると非常に自分の心が楽になったと言うか、夫婦関係は勿論無理だと言う事なんですが、ただ父親として自分が今まで、子どもを全部一人で一人親として全て子どもの親の役割を担わないといけないと思っていたところから、その父親に会わせることで、父親としての役割を分担できるようになったと言うような話です。自分が本当に厳しい時は例えば父親に連絡をして、その別れたご主人ではありますが、その方に手伝ってもらうと、あるいは参画してもらうというような事で、非常に気が楽になったと、その方の意見を是非共有しようと思って、その女性の方はNPO法人を立ち上げて、自費で活動されてらっしゃいます。例えば自治体であるとか、そういう色んな経験を持っている方々に、このお話をして、そのお話を聞いた自治体と非常に大きな反響があったと言う風に伺っておりますが、まぁこういうのを自費でされております。
厚労省は令和元年からこの親支援講座と言うものを行う授業を実施しております。予算もこの令和3年の予算では10倍に拡大したいと非常に拡大を大きく予算獲得しておりますが、今申し上げたような、こういう取り組みを是非全国の自治体で出来るよう国として予算もある訳ですから、しっかりと後押しをしていただきたいと言う風に思っておりますが、いかがでしょうか。

岸本武史 厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長

お答えいたします。面会交流の重要性について、ご指摘御座いました。仰ります通り、面会交流は子どもの健やかな成長のために非常に大切なことでありまして、子どもの立場から実施する必要があるものと考えております。このため、厚労省としましては、一つ面会交流に関する意義や課題等を双方の親を含む関係者が認識した上で、取決めや実施が適切に行われるよう面会交流支援事業によって、面会交流の取決めがある方を対象として支援を行っているところで御座います。また令和元年度からの話でございました、離婚前後の父母等を対象と致しまして、離婚が子どもに与える影響ですとか、養育費や面会交流の取決めをする事の重要性、こういった事に関する親支援講座の開催に要する経費について、離婚前後親支援モデル事業によって支援を実施しているところで御座います。これらの事業については民間団体の委託の形で実施する事も可能と言う形としております。また令和3年の予算案におきましては、離婚前後親支援モデル事業について、1自治体あたりの補助単価を現在の170万円から1500万円に大幅に拡充したいと言う風に考えているところでございます。こういった事業を活用しまして、厚労省としましても、引き続き実際の取り組みを推進して参りたいと考えております。

伊佐進一議員

あの、さっき申し上げた親支援講座、まぁ正式には離婚前後親支援モデル事業といいますが、令和元年からやっていただいていますが、これ受けてやっている自治体って3つだけなんですよ、日本全国で。10倍にこうやって増やしてるんですから。是非本当にこれ国の方が自治体に働きかけをして、しっかりと使っていただく、またさっき同じようにさっき触れられた面会交流支援事業って言うのもあります。これも今10自治体しかやっていないと言う状況で、決してだからやっていますと、予算をとっていますと言うこの、エクスキューズにならないように、本当にこのとった予算を効果的に使っていただきたいと。また面会交流支援事業についても、まぁこれおそらく委託と言う事を仰っていただきましたが、委託されている団体のこれ、質も課題になっています。あの受けるのはいいのですが、例えば、能力、或いは財政面であったりとか、或いは公平性であったりとか、そういうところもしっかりとフォローしていただきたいと言う風に思いますし、あともう一点言わせていただければ、養育費相談支援センターと言うのがあります。この支援センターについても長らく事業やっていただいておりますが、解決率が13%と言うような事も国会でも議論になりました。勿論サンプル数が少ないと言うのもあるかもしれませんが、ここあの国のナショナルセンターですので、ここがしっかりと自治体を支援して、実際にこれ担っていただきたいのは自治体ですから、この支援センターしっかりと実際に支援をお願いしたいと言う事を、最後お願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。有難うございました。

伊佐進一議員の素晴らしい質疑、誠に有難うございました。当事者として、一人の子をもつ親として非常に嬉しく思います。引き続き何卒宜しくお願い致します。

サポートは別居や離婚を経験した子どもの支援に活用させていただきます。宜しくお願い致します。