2.教会に行くきっかけとなった讃美歌

 私は、初めて教会を訪ねる前年のクリスマスの夜に、ある教会の建物のそばを通りました。
 その夜、私は教会の隣の本屋さんで立ち読みした後、自転車に乗って家に帰ろうとしていました。
 とても寒い夜で、辺りには雪が降り続けています。「明日は積もりそうだな」と思いながら自転車に乗っていると、前から讃美歌が聞こえてきました。
 「今日はクリスマスか・・・。」その歌声が聞こえるまでクリスマスだということも忘れていましたが、私は、大学生の時に男声合唱団に入っており、同じように雪の中で合唱を歌った経験があり、その歌声に、ふと耳を傾けました。
 教会の前で讃美歌を歌っていた人達は、降り続ける雪の中で歌っており、髪の毛や服にも、わずかに雪が積もっています。
 降り積もる雪の中で笑顔で歌っておられる教会の人々の姿に「この人達を動かす力の源は何なんだろう・・・?」という想いと共に「きっと真摯な想いで歌っておられるんだろうな」という印象を受けました。
 いつか教会に行くことがあったら、このような人たちのいる教会でお話を聞いてみたい、という本当にかすかな想いがありましたが、その日は、とても寒く地面も凍ってしまいそうなので、早々に家に帰ってしまいました。
 後から振り返ると、あの時のあの讃美が、後に私が教会を訪ねる一つのきっかけを作っていました。
 この時、もし讃美歌を歌うのではなく、クリスマスの説明をされていたら、私は耳を傾けず、印象にも残らなかったと思います。
 でも傘地蔵のように雪を積もらせながら笑顔で歌うその姿は、クリスマスの本当の意味を私に示していたのでしょう。
 そして、この時、私がこの讃美歌を聞いたことが、実際に私が教会を訪ねるようになった時に、とても大きな意味を持つことになりました。

「あなたがたは、世界の光である。山の上にある町は隠れることができない。また、あかりをつけて、それを枡の下におく者はいない。むしろ燭台の上に置いて、家の中の全てのものを照させるのである。そのように、あなたがたの光を人々の前で輝かし、そして、人々があなたがたのよいおこないを見て、天にいますあなたがたの父をあがめるようにしなさい。」

(口語訳 マタイによる福音書5章14~16節)

画像は、HanaKokoroさんのものを使わせて頂いてます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?