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【億人億色と、信じるということ】

あなたのスマートフォンは、あなたの好み、信念、価値観に基づいて最適化されています。

登録しているニュースサイト、LINEの友達、Twitterのフォロワー、使っているアプリケーション、などなど、あなたにとって快適な環境が整備されています。私のスマートフォンもそうなっています。

端末内では、私たち人間の最適化欲求とAIの両者が手を結び、各々のスマートフォンライフを最適化しています。

人はみな、自分が見たいものを見たいように見て、信じたいものを信じたいように信じて、生きています。だから、あなたのスマートフォンで目にする情報はあなたの欲望に最適化されているわけです。

人の好み、信念、価値観は異なっています。半径5メートル以内、すぐそこにいる人でさえ、その感覚/認識/行動は私とは異なっています。まさに十人十色。

またそこから鳥の目で俯瞰し、地球上に生きる人は全てまったく異なっているのだと思いをめぐらせるならば、それは億人億色。

人はそれほどに多様で豊かだとも言えますが、多様であり過ぎて共通感覚が持てないとも言えます。

上に書いた「人はみな、自分が見たいものを見たいように見て、信じたいものを信じたいように信じて、生きています。」という事実から考えを進めていくと、「私たちは自分の持つ感覚/認識/行動の外側に出ることは不可能だ」という、絶望に似た思いに到達しそうになります。

危ない。
想像力が著しく欠けている。
世界にはびこる分断に、危うく加担しそうになる。

そこで私は以下のように考えます。
私の持ち場、音楽表現に即して考えます。

億人億色。
この厳然たる事実を知った上で、絶望せず、あなたとわたしが関係を取り結び、一つのことを為していく。そのためにわたしたちが合意した価値観は、ただの共同幻想かも知れない。それでもあなたはわたしを、わたしはあなたを信じる。信じて、一つのことを、共に為していく。

信じるとは、相手のその、幻想のように不確かなものを、わたしも大切だと強く思う行為。そして相手もわたしに対して同じように思っているということを、まさに、わたしが信じること。

協働とは、その不確かなものを信じ合うことで成り立つもの。

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#わたしが私として生きるためのエッセイ 41
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