見出し画像

【草花】【自然毒プロファイル】イヌサフラン

【Poisons in nature】
【自然毒プロファイル】
【草花】
「イヌサフラン」
 (scientific name: Colchicum autumnale)
Wikipedia URL> https://ja.wikipedia.org/wiki/イヌサフラン


 イヌサフラン(学名: Colchicum autumnale)は、イヌサフラン科の植物である。かつてはユリ科に分類されていた。ヨーロッパ中南部から北アフリカ原産。種小名 autumnale〈秋の〉の通り、秋に花が咲く。花がクロッカスに似ているため、「秋のクロッカス」とも呼ばれる。なお名前に「サフラン」と付き見た目もよく似ているが、アヤメ科のサフランとは全く別の植物である。

【医薬品】
 イヌサフランの球茎(球根)や種子にはコルヒチン(colchicine)という物質が含まれている。この物質は痛風薬としても薬事法で認可、販売、処方されている。コルヒチンは人体には猛毒物質であるので専門家の処方が必要。また植物の細胞分裂に影響を与えて倍数体にする作用があり4倍体の作成や、種子を作らない3倍体品種の作成などといった品種改良に使われる。
医学・薬学方面ではイヌサフランをコルヒクム、種子をコルヒクム子、球根をコルヒクム根ということがある。

【毒草】
 猛毒。種子や球根にアルカロイドの一種コルヒチンを含む。日本の有毒植物の代表格であるトリカブトが、2006年から2016年の間に3人の死者を出しているのに対し、イヌサフランは同じ期間に6人の死者を出しており、誤食による食中毒が発生しやすい植物とされる。
 早春に群がって出るイヌサフランの葉を食用の山菜であるギョウジャニンニクと間違えた事故もあり、鱗茎はジャガイモやタマネギと間違えられることがある。また、ミョウガに間違われた事例もあった。イヌサフランは上記のとおりコルヒチンを含んでおり、これを誤って摂取すると下痢、嘔吐、皮膚の知覚麻痺、呼吸困難を発症し、重症の場合は死亡することもある。またサフランと似ているため、花柱を乾燥させた物がスパイスや鎮静・鎮痛・通経薬として使用できると誤認しての中毒例もある。園芸品種コルチカムは、土に植えなくても開花することで知られる園芸植物であるが、テーブルなどに置かれた球根を子どもやペットが誤って食べないように、注意する必要がある。

【園芸品種】
 イヌサフランを園芸用に品種改良したものはコルチカム(コルヒカム、コルキカムとも)ということが多い。
 コルチカムは球根草であるが、球根を土に植えなくても秋になると花が咲くという変わった性質がある。葉は開花後に出てくる。日当たりのよい室内などに球根を置いて、花を鑑賞してから土に植えても全く問題はない。土に植えておくと自然分球して殖えていく。
球根を犬が食べて死亡した例が報告されている。土に植えない、または室内などに球根を置いて花を咲かせる場合は特に注意が必要である。
…  
〜[上記Wikipediaより抜粋。]


Colchicum autumnale
Wikipedia EN(英語版) URL> https://en.wikipedia.org/wiki/Colchicum_autumnale


 Colchicum autumnale, commonly known as autumn crocus, meadow saffron, naked boys or naked ladies, is a toxic autumn-blooming flowering plant that resembles the true crocuses, but is a member of the plant family Colchicaceae, unlike the true crocuses, which belong to the family Iridaceae. It is called "naked boys/ladies" because the flowers emerge from the ground long before the leaves appear. Despite the vernacular name of "meadow saffron", this plant is not the source of saffron, which is obtained from the saffron crocus, Crocus sativus – and that plant, too, is sometimes called "autumn crocus".
 The species is cultivated as an ornamental in temperate areas, in spite of its toxicity. The cultivar 'Nancy Lindsay' has gained the Royal Horticultural Society's Award of Garden Merit.

【Description】
 This herbaceous perennial has leaves up to 25 cm (10 in) long. The flowers are solitary, 4–7 cm (2–3 in) across, with six tepals and six stamens with orange anthers and three white styles.   At the time of fertilisation, the ovary is below ground.

【Distribution and habitat】
 C. autumnale is the only species of its family native to Great Britain and Ireland, with notable populations under the stewardship of the County Wildlife Trusts. It also occurs across mainland Europe from Portugal to Ukraine, and is reportedly naturalised in Sweden, European Russia, and New Zealand. It grows in lowland grassy meadows.

【Pharmaceutical uses】
 The bulb-like corms of C. autumnale contain colchicine, a useful drug with a narrow therapeutic index. Colchicine is approved in many countries for the treatment of gout and familial Mediterranean fever. Colchicine is also used in plant breeding to produce polyploid strains.[citation needed]

【Toxicity】
 Colchicum is lethally toxic due to its colchicine content and the leaves have been mistaken by foragers for those of Allium ursinum (ramsons or wild garlic), which they vaguely resemble.
 This plant (and colchicine itself) poses a particular threat to felines. The corms of meadow saffron contain the highest level of toxins, but all parts of the plant are regarded as poisonous.

〜[Excerpt from above Wikipedia.]
〜[上記Wikipediaの日本語翻訳は次の通り。翻訳にはアプリ「DeepL」を使用。]

 コルチカム・オータムナル(Colchicum autumnale)は、一般にオータムクロッカス、メドーサフラン、ネイキッドボーイ、ネイキッドレディと呼ばれる有毒の秋咲き顕花植物で、真のクロッカスに似ているが、アヤメ科に属する真のクロッカスとは異なり、コルチカ科の植物である。 「メドーサフラン」という俗称があるが、この植物はサフランの原料ではなく、サフランはサフランクロッカス(Crocus sativus)から得られる。
 その毒性にもかかわらず、温帯地域では観賞用として栽培されている。 品種'ナンシー・リンゼイ'は、英国王立園芸協会の庭園功労賞を受賞している。

【説明】
 草本性の多年草で、葉は長さ25cmまで。 花は一重で、4~7cmの大きさ。6個のがく片と6個の雄しべがあり、オレンジ色の葯と3個の白い雄しべがある。 受精時、卵巣は地中にある。

【分布と生息地】
 オータムナルは、グレート・ブリテンおよびアイルランドに自生する同科の唯一の種であり、各郡のワイルドライフ・トラストの管理下にある個体群は注目に値する。 ポルトガルからウクライナにかけてのヨーロッパ本土にも分布し、スウェーデン、ヨーロッパ・ロシア、ニュージーランドに帰化しているとされる。 低地の草地に生育する。

【医薬品としての利用】
 オータムナーレの球根のような球茎にはコルヒチンが含まれている。 コルヒチンは痛風や家族性地中海熱の治療薬として多くの国で承認されている。 また、コルヒチンは植物育種に利用され、倍数体株を生産する[要出典]。

【毒性】
 コルチカムはコルヒチンを含むため致死毒性があり、葉は採集者にAllium ursinum(ラムソンまたは野生のニンニク)と間違えられる。
この植物(およびコルヒチン自体)はネコにとって特に脅威となる。 メドーサフランの球茎は最も高いレベルの毒素を含むが、植物のすべての部分は有毒とみなされる。





【自然毒プロファイル】イヌサフラン
【概要版】URL> https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/poison/higher_02.html



【自然毒プロファイル】イヌサフラン
【詳細版】URL> https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000058791.html


【一般名】イヌサフラン (別名: コルチカム)
【分類】
 ユリ目 Liliales 、 ユリ科 Liliaceae 、 イヌサフラン 属 Colchicum
(APG 分類体系ではユリ目、イヌサフラン科、イヌサフラン属 )
【学名】 Colchicum autumnale L.
【英名】 autumn crocus
【生育地】
 ヨーロッパ中南部~北アフリカ原産の球根植物。
 日本には明治時代に渡来し、園芸植物として広く植えられる。
【形態】
 多年生の球根植物。球根は径 3 ~ 5cm の卵形で、 9 月から 10 月に花茎を 15cm ほど伸ばし、アヤメ科のサフラン Crocus sativus L. に似た花をつける。室内に放置した球根からも開花する。翌春に 20 ~ 30cm ほどの葉を根生する。耐寒性が強く、何年も植えたままで開花する。
【毒性成分】
 アルカロイドのコルヒチン( colchicine )
 種子には 0.2 ~ 0.6 %、鱗茎には 0.08 ~ 0.2 %含まれる。
 鎮痛薬として使用されるが、嘔吐・下痢などの副作用を示す 。
【中毒症状】
 嘔吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難。
 重症の場合は死亡することもある。 ★★★ 要注意 ★★★
 ヒトの最小致死量は体重50 kgの場合,コルヒチンとして4.3 mg程度。
【発生事例】
(症例1)
2013 年 6 月 3 日、石川県白山市内で女性( 71 )が自宅横の畑でイヌサフランを採取し、ジャガイモと似ていることから食用にできると思い,球 根をスライスして、ゆでて食べたところ、おう吐の症状が出た。近所の知人女性( 77 )も一切れ食べて軽症となった。

( 症例 2 厚生労働省発表 統計資料外 )
2013 年 6 月 23 日、札幌市内で女性( 60 代)が姉の自宅の庭に生えていたイヌサフランの球根を、ミョウガと間違えてゆでて食べ、腹痛や嘔吐など食中毒の症状を訴えて病院に搬送された。一緒に食べた姉はすぐに吐き出したため、体調に異常はなかった。食べた残りを北海道立衛生研究所が鑑定し、イヌサフランと確認。

(症例3)
2015年6月21日、北海道札幌市内で男性が家庭菜園で採取したイヌサフランの球根を茹でて食べたところ、下痢、嘔吐及び多臓器不全等の症状を呈し、その後死亡した。

(症例4)
2015年9月22日、山形県山形市内で女性が自宅の庭に生えていたイヌサフランの地上部をもぎ取り、そのままの状態で食べた後、下痢、嘔気、嘔吐の症状を呈し、その後死亡した。

〜[上記「自然毒プロファイル・イヌサフラン・詳細版」より抜粋。]





【自然毒プロファイル一覧】

 




【NHKニュース・2024/05/17】
URL> https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240517/7000067054.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?