読書生活 コンラート・ロレンツ「鏡の背面」
鏡は現実を写す。しかし鏡には表層しか写らない。写る現実にも裏はあるし鏡にもまた背面はある。コンラート・ロレンツは人間の心を鏡に例えた。我々は心を通じて見たもの、感じたものを認識するが人間の心にもまた背面があるはずだと。ありとあらゆる哲学や心理学を用いながら「人間はいかにして世界を認識するか」というテーマに挑んだ一大傑作。200ページ目にはルーレットの話も出てくる。何回かルーレットで赤が連続したら「次は黒が来る」と我々は思うしかしそれは間違いだという認識と確率論にも触れている。