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読書生活

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2019年3月の記事一覧

私が落ち込んだ時に読む二冊です

今日は少し本の話を。 大人の社会というのは、つまづいたり挫折したりした時に、なかなか悩みを打ち明けたり相談できたりする相手というのがいないものです。失敗や挫折の相談をしてもおおよそ上目目線で話を聞かれ「そりゃ自分が悪いんだから仕方ないよ。」とか「自分で解決するしかないよね。」という結論にしか行き着きません。それが社会の厳しさだと言ってしまえばそれまでですが、しかし相談する方としては本当に心底困ってるわけで、話を聞いてもらったり、サジェスチョンを受けたりしたいものなのです。

レヴィ・ストロース「野生の思考」 その衝撃的な知性

NHK「100分de名著」という番組でこの年末にレヴィ・ストロースの「野生の思考」が取り上げられたそうです。レヴィ・ストロースはフランスの民族学者でアフリカやブラジルの山奥に住む未開の原始人らと生活を共にし、その未開文明を紹介し分析していった学者でした。「野生の思考」というこの本はアフリカや南米に生きる原始民族の生活や儀式などの文明を記した本です。 それだけならこの本はただの文明論述本であり、別にどうこうということはないのですが、この本は1960年代に一大センセーショナルを