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ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー、時々刃牙とモノノ怪

10/9にNetflixで配信開始されたばかりの「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」早速今日の午前から一気に9話畳み掛けで一気鑑賞したので感想をここにつらつら

「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー(原題The Haunting of Bly Manor)」はNetflix配信中の「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の続編にあたる作品ではありますが、直接的な関わりはありません。アメリカの片田舎の豪邸だった前作と違い、今回の舞台はイギリスの地方貴族のお屋敷が舞台となっています。また、一部のキャストやスタッフが続投しているものの、全く別の役を演じているため、前作を見なくても楽しめる作品となっています。

1.あらすじ

ある若者カップルの結婚式前夜のパーティーでゲストの女性が怪談話を始める。怪談に子供が1人出てくればひねりが一つ、2人出てくればふたひねり…と言って

1987年、アメリカ人のダニ・クレイトンはロンドンでヘンリー・ウィングレイブ卿が出している住み込みの世話係の求人に応募する。屋敷のブライ・マナーに住むのはヘンリー卿の10歳の甥マイルズと8歳の姪フローラ。ヘンリー卿の兄と義姉である彼らの両親は事故で他界。マイルズは寄宿学校に通っていたが問題を起こして退学になり、半年前から戻ってきていたため屋敷に住むのは子供が2人だけ。仕事を引き受けたダニは屋敷で通いの家政婦ハンナ・グロースと料理人オーウェン、庭師のジェイミーと知り合う。2人の子供の世話をするうちにダニは怪しい人物や奇妙な現象に遭遇し、また自殺した前の世話係と横領して姿をくらました執事の話を聞くことになる…


2.登場人物

ダニ・クレイトン

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ブライマナーの世話係。“ある理由”により故郷のアメリカを出て渡英、ブライマナーで住み込みで働く。前作では末妹のニルを演じていたが金髪に染めているので全然気がつかなかった。1987年が舞台なのでアメリカ人風のダボっとした服を着ている事が多い。閉所恐怖症。MADの見過ぎで頻繁に鏡に映る音割れポッターの幻覚を見てビビっている(嘘)

フローラ・ウィングレイブ

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物語の核心を握る不気味な子供その1。寄宿学校で暮らす兄を手紙一つで引き戻す。誕生日にプレゼントされたブライマナーを模したドールハウスがお気に入りで登場人物に似せた人形を自作して遊ばせる「ヘレディタリー継承」の母親を思わせる嫌な趣味を持つ。夢遊病持ちでフラフラと外に出ては勝手に倒れて眠っている。眠って、目が覚めて、歩いて、眠って、目が覚めて、歩いて…


マイルズ・ウィングレイブ

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物語の核心を握る不気味な子供その2。妹から手紙が来たことをきっかけに高所から落下して怪我をする、喧嘩する、先生のペットを処す、校長に暴言を吐くなど手を変え品を変えて退学になってブライマナーにカムバック!時々大人びた言動をするなど謎が多い。


ハンナ・グロース

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通いの家政婦。ブライマナーのブローノ・ブチャラティ。子供たちが産まれる前から家政婦として働いており、オーウェンの面接も行った人。オーウェンには惹かれるものがあるようで仲は良い。ダニとの初対面に何やら下を見つめてぼーっとしていたので伏線だろうなと思ったら案の定伏線だったのでよく覚えておくようにここテストに出ます。人から出されたお茶は飲まない主義。これも伏線。なんもかも伏線。


オーウェン

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料理人。フランスで修行した過去があるがブライ出身の地元民。人柄がよく、見た目もイケてるので村の女性たちから一目置かれているが認知症で病身の母親と暮らしているため本人にそんな余裕は無い。冗談が好きで子供たちからも好かれているムードメーカー。これと言って欠点のないいい人。ハンナとはいい雰囲気


ジェイミー

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庭師。ブライ出身。写真では不安げな顔をしているが姉御肌で男勝りの気質。挨拶もしないので第一印象がよくないが、最近の流行なのかそういうキャラは話が進むと評価が真逆になるよね。精神的にも肉体的にもダニを支える。「難しい事はわかんねーけどよ」キャラかと思ったけどよくよく考えると海外ドラマって製作者の文学的センスが優れてるからそういうキャラって見かけないなって思った。もちろんジェイミーもそうではない。


ヘンリー・ウィングレイブ

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現在のブライマナーの所有者。幼少期にE.T.に出会ったのちイギリスに渡って実業家になった(嘘)。前作のヒルハウスでは一家の父親役として登場するが今作では子供との絡みはほとんどない。子供たちにとっては叔父にあたる。“ある理由”からブライマナーには一切立ち寄らず、ロンドンの自分のオフィスに引きこもって仕事と飲酒を繰り返している。ダニから電話で近況報告を受けてもシカトする。この人だけ直面している相手が違うのでなんだかお話から浮いているように感じるのは自分だけ?


ミス・ジェセル

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前任の世話係。後述するクリントに裏切られたため湖で入水自殺を遂げた(とされている)。ブライマナーは吹き替えで見たんだけどこの人の声だけちょっと棒っぽいのが気になってものすごい核心に触れた話してるのに全然話が頭に入ってこなかった。

ピーター

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ウィングレイブ卿の執事。卿の財産を横領した罪で追われているが現在は行方不明。素行があまり良くなく、使用人たちからは煙たがれている。演じるオリバー・ジャクソン・コーエンはヒルハウスでは末弟のルークを演じており、薬物中毒者で心の病を持った人物から一転、トーマス・バロウさんもビックリのごろつき執事になりきっている。透明人間でもそうだけど悪役のがこの人映えるんでなかろうか。

湖の貴婦人(Lady of the Lake)

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夜な夜な湖から現れては屋敷の中を徘徊する今作のメイン幽霊。呪いとか超能力とか使った殺しをしそうな外見(黒髪長髪白服=貞子)だがとんでもない膂力(りょりょく)をもって片手で犠牲者の首根っこを押さえ込んで湖まで運ぶ武闘派タイプの幽霊。大柄な大人でも逃れられない握力は湖に閉じ込められた四百年で鍛え上げた究極の武!顔がないので目潰しも効果が無いぞ!ブライはアタシのもの!邪魔する奴は思い切り掴み思い切り運ぶだけ!!ブライマナーの女主人、ヴィオラ・ウィロービー(仮名)が入場だ!

はい。


3.もうほとんど語ることがない感想

良かった点

・モノノ怪の形、真、理

 モノノ怪、好きですね…薬売りさん…好きですね

少し前にアマプラで見た「来る」は原作と違い、怪異の正体や原因を曖昧な説明で誤魔化していたのが気になりました。(娘が呼び込んだとかなんとか…じゃあ産まれる前に同僚を呪い殺したのは何なんだよ)ですがこのブライマナーは怪異の成り立ちを豪勢に丸ごと1話使って説明してくれます。また、それに伴い屋敷に数々の霊が捕われている理由、幾人かの霊に顔が無い理由も丁寧に説明してくれます。それが納得できるかどうかは人それぞれでしょうが…個人的にはかなりの高ポイント。

微妙に感じた点

・ヘンリーの過去要る?

ヘンリー叔父さんの過去も同じく1話丸ごと使って説明されるのですが、こちらはブライマナーの外、ロンドンのオフィスでの出来事だしそもそも生きてるので記憶に囚われる理由が謎。また先述したように彼のみ立ち向かうべき相手が違うので本筋から離れてしまうのが辛い。半話くらいで収めて欲しかった。

4.まとめ

ヒルハウスはホラーでありながら「家族の絆を取り戻す」物語でした。また、画面端に映り込むゴーストや赤い扉の部屋の伏線、6話の最高に気持ちいい長回しなど新しい見所が沢山ありました。それに比べると今作はちょっと地味かもしれません。それでも「記憶の迷路」のような頭の使い所があったり、映り込みゴーストたちも健在で楽しめる作りになっています。また、今作はホラーでありながらホラー要素はほとんどない(急にびっくりさせる描写が少ない)のでホラー苦手な人にも出来れば楽しんで欲しい。

これは怪談話ではなく、ラブストーリーなのですから





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