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物理数学史には謎が多すぎる

多少でも物理学を大学で齧った方なら「ルジャンドル変換」とか「ハミルトニアン」とかの名を目にしていると思います。

詳しいことを知りたい方はWikipedia をどうぞ。難解ですのでわからなくてもめげることはありません。物理学の基本中の基本だとわかってくださればいいです。

この二つ、前者はルジャンドルという18世紀のフランス数学者、後者は19世紀前半のスコットランド数学者にちなんで命名されたものです。

しかし、だからといってそれぞれルジャンドルとハミルトンが命名したわけではなく、物理学への応用も彼らではなく後世の人間によるものです。

いったいいつの時代の誰の手で、それがなされたのか…

教科書や専門書を当たっても、いくつかの言語での検索でも、これといった文献も記述も見つからないでいます。

どちらも物理学では超スタンダードな用語でありながら、その出自を誰も知らないのは、よく考えたら不気味です。念押ししますが「由来」と「出自」は別ものです。

ほかにもあります。エネルギー演算子とか運動量演算子とか、量子力学の講座の割と早いころに出てくるようですが、おそらくどの講師も教師も「いいから覚えやがれ、細かいことは後でやる」と煽っておいて、最後まで伏線回収しないで終わってしまうのがパターンです。

この「演算子」なる概念、数学者が量子力学に持ち込んできました。20世紀になってドイツの前衛数学者たちが積分方程式の大胆な解法探求にあたって「固有値」とか「固有ベクトル」とかの概念を提唱していて、これを使えば今まで解けなかった微分方程式でも解けるようになるから物理学者どもよひざまずけわっはっはと増長した果てに、量子力学黎明期のとある難問を解き明かし、それの体系化にあたって「演算子」を駆使したのです。

こういうことを物理学の方々は授業や講義ではあまり触れません。ろくに知らないからなのか、数学者たちの功績を物理学史からできるだけ消し去りたいからなのか…

私ぐらいでしょうかこういうことに悶々とするのは。大学の偉い先生たちってこういうこと気にしないんでしょうかスティーヴン・ホーキン…ストレンジラヴ博士さま。

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