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数学科で挫折を味わい中の、元秀才の貴兄に

『数字であそぼ』というまんががあるそうです。そうですとしたのは私は未読で、たまにウェブで目に入るくらいしか縁がないのでそう述べるしかないと思ってそう述べました。名台詞のあるコマがよく出回っているなーって。

大学入試の数学では大秀才だったのに、数学科にうっかり進んで抽象数学を学びだして、毛色が違うことにショックを受ける様が描かれているらしいです。「ベクトルって矢印のことやないんか!?」みたいな。あるあるですね数学科あるある。私は数学科ではありませんでしたが数学科の数学を独りで学んだ変なひとだったのでこの感覚わかるわわかるです。

「定義、定理、証明、定義、定理、証明、定義、定理、証明・・・こんなのが果てしなく繰り返されて何がわかるわけ?俺だってわかりたいよ!」

こういうの基本ですね基本。

哲学を学ぶときは、ソクラテスがどういう時代のひとで、ボーボワールがどこの国のどういう時代を生きていて、西田が京都の三高で病と闘いながらどうとか等、列伝として楽しむ楽しさがあります。数学はそういうの教科書では脱色されてしまいがちです。実際はけっこうそういう列伝小ネタ入ってたりするのですが頭の中に有機的に残っていかないので学んでいてだんだん不安になっていくの、あるあるですあるある。

先日、地元図書館で何冊か本を借りてきました。ひとつはブルバキの一員だったデュドネのこれ。

キッカイな書物だと、日本のある数学啓蒙者がブルーバックスで触れていたのを私がはたちかもっと前に頃に読んだ気がします。違う本についてだったのかな。よく覚えていません。とにかくタイトルと著者名は知っていました。しかし目を通してみたのは昨日です。

これがなかなかいいのですよ。数学史入門本でした。もっと早くに読んでおけばよかったと思わせられる本です。後日ぶっくれびゅーしてみます。


もう一冊はこれ。

新装版があるようですが図書館で借りたのは昭和のものです。ケイリーとシルベスターが法務で知り合って仲良くなって行列の研究をふたりで進めた等の、面白エピソードがいっぱいです。イングランドは19世紀前半まで数学後進国で負の数すら数学者たちは背を向けていたのが、後半になって勢いをつけていったというのは面白いです。しかも行列の研究で後れを挽回したわけだから。

訳がとてもこなれているのにも好感。

数学を学ぶのに、哲学史を学ぶようにして学んでいくのはアリだと私は思います。なぜって実際そうやって自分は数学科のレベルの数学を根性で学んでいったのだから。


もう一冊、面白い数学史の本がありますが、後日に。

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