その話題は、子どもには少々早すぎる
[これの続きです]
メグのいとこがアフリカ・ケニヤで医者やってますとスピーチしている設定で、なんか読まされます。
スピーチということでいちおう「音声」扱いですが実際はすでに「文」ですね。
動詞に to 不定詞を連結する技を、ここで習います。
多少不自然な英文も混じっていますね。
She helps sick people there every day. (?)
「現地の人びとを毎日助けている」のつもりでしょうか。そうであれば
She sees people who are ill.
(病気のひとびとを診ている)
のほうが自然なのですが、関係代名詞「who」は中3後半にデビューなので中1段階では使えないのです。
ここも少々アレですね。
It's sometimes difficult, but she *tries* to do her best. (?)
前回説明したように、これはできれば
It's sometimes difficult, but she *strives* to do her best.
つまり
ときには困難があっても、彼女は *努力して* 最善を尽くしている
とでもしないと「私のいとこは手を抜いている」と聞こえかねないし。
これも多少ひっかかります。
I want to help others, too. (?)
「他のひとたちも助けたい」と読めるので、できれば
将来は困っている人々を助ける仕事がしたい
(I want to work helping people in need in the future.)
とメグには言わせてあげたいです。
この令和版『New Horizon』は、平成28年度版に比べればずっとましな英文テキストになってはいるのですが、それでもなおときどきこういう変な英文が混ざりますね。それもたいてい、クールジャパンとかアフリカでの活躍とかの、中1の子が語るには少々大仰なトピックを語らせるときに、こういう英文が生じやすいのです。
無理な背伸びをさせてはいけません、「日本人の英語」の病因になるし。
[続く]
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?