え?

 先日、私は人間不信だよ、と言う失恋した女の子と話していた。彼女は大学で、真面目に講義を受けていて、研究発表の内容も美しいものだった。
 だから僕は彼女の人間不信という言葉には、妙に深刻さを感じた。
駅まで歩いて、彼女は反対の方向に向かう電車に乗った。

 この時、彼女は電車の運転手を信じて電車に乗った。あるいは隣に座っていたおじさんが彼女に危害を加えないということを信じて彼女は席に座った。

 ここで、人間不信という言葉が嘘になったことが言える。

 いや、信じる温度の問題ですね。

 でも人間不信なんて、そう簡単になれるものなのかな。僕には人間不信になれる才能も、落ち込む才能もない。なれたとしても、中途半端だな。

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