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コロナ太りかと思ってたら、癌だった話。⑥

慌てる上司。

診察終了後、今後の相談も兼ねて上司へ連絡。
悪性だった事を伝えると、「マ────ジかよ……。嘘だろ……」と本人以上にダメージを受けている。

抗癌剤投与の入院は二泊三日だし、副作用もずっと出っ放しではないと聞いていたので、働きながら治療をしていきたいと言うと、「ちょ、ちょ、待って。俺も初めてのケースだから人事と相談させて。抗癌剤って副作用結構出るんでしょ?」
まあそう言う反応ですよね、普通は。

「出方は人によって違うそうなんですよ。ステージIで死ぬ程キツい人もいれば、IIIでも全然平気な人もいるって先生言ってました。あ、ワタシはIIIだそうなんですけど、だからやってみないとわからな……」
「3?!3なの?おいおいおい嘘だろ?マジかよ」

え。ステージIIIってそんなに深刻なん?先生全然深刻な感じじゃなかったぞ?
予想を超えた上司の反応に、結構大変な事なのか?と思い始めた。
この日初めて、癌は進行度によってステージと言う名称で分けられると知ったばかりだ。
人事と話し合ってまた連絡するとなったので、待ち時間でステージと言うものは何ぞや?と検索してみる。
詳しくはこちらを参考にして頂きたい。

Medical Noteより
卵巣がんのステージ ~進行度別の症状や治療法~

えーと……末期一歩手前か。
あ、でも初期で見付かる事は少ないって書いてあるから、自分が悪化させた訳では無いんだよな、と何故かここに居ない誰かに言い訳するような思考が浮かぶ。
隣では姉が母へ連絡を入れている。
そうしているうちに上司から連絡が入り、人事からは[本人の意思に任せる]と言う回答が来たと。

治療も仕事もやってやる。

自分の意思に任せて貰えるのなら当然、現場には出るさ。
動けない期間を予想すると、
・投薬入院で3日間
・副作用が出るのはその後約1週間
・投薬から2週間後に外来で状態を確認して、無事なら1週間後にまた投薬
うん、これなら月のうち1週間なら出る事が出来る。
それで上司へ提案すると、取り敢えずそのサイクルで行くかと言う事になった。

そうは言えども、最初の入院と社が行う特大イベントの日程がダダ被りになるのがかなり気掛かりだった。
コロナで満足にイベントが出来ないこの年の1番大きな催事。
休むとなると他店からヘルプを貰わなければならない。

現場のメンバーには申し訳ない気持ちだったが、上司の「これで協力しない奴は人間じゃねぇから」と言う言葉に後押しされ、休む決断が出来た。
治療中も色々サポートしてくれ、この上司には本当に感謝している。
今まであーんな事とか、こーんな事とか色々文句ばかり言っててごめんな。

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