「職人さんの素晴らしさを、もっと知ってほしい。」いえいろは株式会社 代表取締役社長 白神康一郎インタビュー
はじめに
この記事は、
となっています。
今回のインタビューは、工事店専門ポータルサイト『やねいろは』と『かべいろは』を運営する、いえいろは株式会社の代表取締役社長、白神康一郎さんにお話しを伺ってきました。
「いえいろは」とは
「白神康一郎さん、今回はよろしくお願いします。」
「はい、よろしくお願いします。」
「ではまず、“いえいろは“さんがどの様な事をされていらっしゃるか聞かせてもらっても良いでしょうか?」
「現在は屋根や外壁の工事店さんと、屋根や壁の修理を依頼したいエンドユーザーさんを、直接繋げるマッチングサイトを運営しております。」
「なるほど、それが『やねいろは』と『かべいろは』なんですね。」
「そういったサービスというのは、“いえいろは“さん以外でもあるものなんでしょうか?」
「そうですね、職人さんに仕事を発注するような、“リフォーム屋さん“や“ハウスメーカーさん“を集めてエンドユーザーさんと繋ぐサイトはあります。」
「だけど、うちみたいに職人さんだけを集めて、エンドユーザーさんと繋げるサイトっていうのは少ないと思います。あとは、屋根や壁に特化したという意味では他には無いものだと思います。」
「”職人さんだけを集めて”というのは、職人さんとユーザーさん、双方にとって、どんな利点があるのでしょうか?」
「リフォーム屋さんと職人さんとの違いという点で考えると、リフォーム屋さんは自分たちが直接工事するというわけじゃなくて、ユーザーさんから依頼を受けて、自社の下請けの職人会社さんの方に仕事を依頼しているんです。」
「つまり、職人さんとユーザーさんの間に一個噛むことになるんです。こういうシステムも、もちろん価値はあるんですけど、こんなふうに仲介業者さんを介すとちゃんとした工事にならないケースもあるんです。そうではなく職人さんが直接ユーザーさんとやり取りをすることで、職人さん達が本当にいいと思うような工事方法で工事ができるようになっているんです。」
「なるほど、職人さん自身の裁量で工事を進めることができるんですね!」
現状を打破したい。
「ところで“リフォーム屋さんなどの仲介業者さんが間に挟まることで、工事が上手くいかないケース“というのは具体的にはどういう感じなんでしょうか?」
「下請けとして仕事をすると、どうしても元請けであるリフォーム屋さんが言うことに逆らえなくて。もちろん、リフォーム屋さんがとてもいい提案をしてくれたらいい方向に進むと思うんですけど、中には屋根とか外壁に詳しい方が提案しているとは限らないケースもあるんです。」
「そうなると職人さん側は、“この工事方法だと、あんまりいい工事にならないな“となってしまうんです。でもこれを元請けさんに言うことはできなくて、というか言ってはダメなんです。指摘することで元請けさんとの関係が壊れてしまったり、恥をかかせることになってしまうので、ぐっと堪えて仕事をしていると言うのが現状です。」
「だけど、それを打破したいなと思っているのがこのサービスです。」
職人の見える化
「『やねいろは』、『かべいろは』のウェブサイトは、工事店さんが登録をして、その登録されてある工事店さんの中からユーザーさんが自分に合ったところを見つける。という使い方なんでしょうか?」
「そうですね、まずは双方に登録をしてもらうという形になっています。工事店さんには、会社についての記事を書かせてもらったら登録という形です。」
「登録されている会社さん全てが記事になっているんですか!?」
「そうです。今は520社くらいですかね、職人さんの生い立ちや仕事の様子、どんな地域で活躍しているかなどを記事にしています。僕自身が思っているのが、職人さんがもっと見える化されていくのが大切だと思っていて、さっき話したリフォーム屋さんとかハウスメーカーさんって、“自社はこういう会社ですよ“とか“こんなふうにお客様に接しますよ“とか、そんな広告を流していると思います。」
「でも職人さんってどちらかというと控えめな方が多くて、あんまり自社の功績とかを表に出さなかったり、“ちゃんとやってるんだから、わざわざ言わなくてもいいよね“みたいな感じで。職人気質でプライドでやってる方が多いんです。」
「でもこれって今の時代だと勿体無いというか、いい仕事をしているから、そこをもっと出していくと喜ばれると思うんです。」
「なるほど、登録されている工事店さんの概要が記事になっていることで、ユーザーさん側がその工事店さんがどんなところなのか分かるようになっているんですね!」
「『やねいろは』『かべいろは』の登録店さんからの声というのはどんなものがあるのでしょうか?」
「工事店さんの中には、HPを持たれていない方も多いので、“HP代わりになったとか“、あとは屋根 壁の修理ができる方だけを探すサイトも多くはないので、そういう意味ではイイねと思ってもらえていると思います。」
職人さんにとっての幸せ
「このサービスを始めるに至った経緯などはどんなものだったのでしょうか?」
「自分は岡山に帰って来たのが31のときなんですけど、家業が今どんな事をしているのか詳しく知らなかったんです。そこで職人さんがユーザーさんに直接仕事をしているということがほぼ無くて、元請けさんがいらっしゃって、その下で仕事をしているという構造を知ったんです。」
「それで職人さんが幸せなんだったら良いんですけど、良い元請けさんもいれば職人さん目線だとピンとこない方もいらっしゃって。下請けの仕事をやっていきながらも、自社としてユーザーさんから直接仕事を受けたら経営の状況が良くなっていくと聞いたので、それのサポートをしたら良いのかなと思ったのが理由の一つです。」
「あとはさっき言った通り、職人さんの見える化を進めたいというのもあります。」
「今までリフォーム屋さんやハウスメーカーさんがいた位置に『やねいろは』、『かべいろは』が収まることで、ユーザーさんと職人さんの距離がより縮まるんですね。」
「白神さんがここまで職人さんの幸せを考えているのは、幼少期から職人さんが身近なものだったからなんでしょうか?」
「そうですね。家業は職人さんがお客さんなので、かなり身近で職人さんと会うのが当たり前でしたね。東京に行ってからはあまり職人さんとの関わりも少なくなっていましたけど、小中高とずっと身近だったし、職人さん達の良さも知っていたのでもっとみんなの目に触れるようになってくれたらと思っていました。」
「今の建設業界での職人さんの見られ方というのはどういうものなんでしょうか?」
「基本的には下に見られていますね。いわゆる3kと呼ばれる仕事ですし、給料もすごく稼げるわけではないですし。だけど最近ようやく待遇改善も始まってはいます。」
自分と仕事と価値
「白神さんにとっての仕事の楽しさというのは、どんなところなのでしょうか?」
「そうですね……自分のしていることが社会に浸透していると感じたとき、とかですかね。というかあんまり仕事を仕事としてやっている感覚がなくて、“お金をたくさん稼ぎたい!“とかはなくて仕事をすることが自分の価値だと思えているので、“仕事のこれが楽しい“というより、仕事はやるべきものという認識ですかね。」
「なるほど、自身の作ったもので社会に良い影響を与えられるというのが、喜びであり、自身の価値だと考えているんですね。」
「そういえば、元々証券会社さんで働いていたと聞きましたが、そこから家業にもどったのは、どういった理由があったのでしょうか?」
「小さい頃から、”家業を継ぐんだ”と言われていて、自分もそのつもりだったので、いつかは帰ろうと思っていたんです。だけど新しいこともしたくて、家業に帰ってそのままだと厳しいなというのと、家業の中で自分が存在する社会的な価値は大切だろうと思っていたので、そこから家業とは全然違う仕事も経験してみたいなと思って、証券会社に入りました。」
「今までとは違う経験をすることで、新しいものを生み出して、家業の今後や自分の価値に繋げていったんですね。」
高校生と一緒に働くとしたら?
「もし“いえいろは“さんに高校生がインターンに来たら、こんな仕事を任せたいというのはありますか?」
「まず最初はカバン持ちから始まりますね。“その人が何を得意としているか“、“何がしたいか“、が結構大切だと思っていて、向き不向きって結構あるんです。」
「さっき言ったような職人さんの記事を書いてる子もいたり、動画コンテンツを作っている子もいます。あとは僕のストーリーを作ってくれている子もいます。」
「インターン生の方によって結構内容が違うんですね。」
「そうですね、前はSNSの運用をしてもらっていたけどうまくいかなくて、“違うことがしたいです“と伝えてくれて変えた仕事が合って、その仕事にずっと取り組んでいる子もいて、皆色んな事をやっていますね。」
「新しいことをやっていくという部分で、インターンも経由してうちの会社でも活躍できるような人材が育てば良いなと思っています。」
「では、こんな方にインターンに来て欲しいというのはありますか?」
「うちの会社だと、いろんな人が関わって事業ができているというのがよく分かるので、事業を作っていく過程とかに興味のある方におすすめですね。」
「あとは、どの会社もそうだと思うんですけど、今は新しいことを作っていくフェーズなんです。一つの決まったことをやるというよりは、色んな事をやるので、“なんでもやります!!“って感じの人の方がいいと思います。」
「事業ができて、これから成長していくところに関わっていけるんですね。」
「そうですね、そこがやっぱり面白いところでもあるし、参考にもなると思います。」
「あとウチにいるインターン生の子は、二、三年でかなり成長していると思います。パソコンが苦手だった子も、今では資料の作成とかもうまくなっていて。もちろん、その子自身が努力しているからなんですけど、例えば“資料確認お願いします。“って言われて、見せてもらって、それを直してもらってを繰り返していって、スキルアップしていくような感じで。」
「なので、コツコツ頑張れる方も向いていると思います。」
「なるほど。会社の環境や、インターン生の頑張り次第でどんどん成長していけるんですね。」
「本日は貴重なお話をありがとうございました。」
「こちらこそ、ありがとうございました。」
本日のまとめ
「この記事を読んで、いえいろは株式会社でインターンがしてみたい!と感じていただけた方には、こちらの公式Instagramアカウントへメッセージを送れば、簡単にインターンに関する質問ができちゃいます!」
「ITや事業の作成に興味のある方、自分をもっと高めたい方はぜひ!お気軽にご相談ください!」
「こちらのマガジンから、これまでに取材した方々の記事を読むことも!」
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