「垂下」-メイキング
7/27はスイカの日
とのことで、
ほんのり浮世絵っぽい?日本画っぽい?シリーズ第二弾。
種をしずくに見立てて、 傘のように…
しようと思ったけど、フォークが端にあるとあんまり傘っぽく見えませんね。まぁこれはこれで。
よければクリック拡大してみてくださいな。
以下メイキング。
今回は塗りの工程をちょっと詳しくやってみます。
シャーペン原画
「人物&種」、「スイカの半月」の2枚。
時短したいときは種なんかはコピペで量産しちゃいますが
今回はせっかくなのでちゃんと描きました。
これをスキャンし、
Photoshopで明るさなどを調整、
首の細さや指の位置など気になるところを修正したのち
紙の白い部分を透明化します。
インクでくっきり真っ黒な線を引いたのではなく、
シャーペンでやわらかく濃淡をつけたので
半透明の繊細な印象。
日本的な雰囲気にしたかったので女の子はシンプルな黒髪ですが
線画の色は純粋な黒ではなくダークグリーンにします。
そして線画レイヤーの下に色面レイヤーを作成。
ベースは赤みがかった肌色。
このふたつのレイヤーを重ねると…
赤と緑の反対色が重なり合って
「より柔らかで情緒のある黒」っぽくなります。
たぶん。
2色刷り原稿を作ったことのある人なら、なんとなくわかっていただけるんじゃないでしょうか。
純粋な黒(K100%)の線画と比べてみるとこう。
こんなかんじでちょっとずつ塗り進めていきます。
(メイキング用にわかりやすくレイヤー名をつけてありますが普段はこのへんテキトーです)
スイカどーん!
半月の線画に
果皮の緑、果肉の赤、そのあいだの白を置きます。
あとで調整するのでざっくり。
最下層にスイカの色面レイヤーを作成。
果皮と果肉、そのあいだの白…と重ねていき
それぞれの境界をぼかしぼかし。
多少いびつなくらいがそれっぽく見えます。
人物も並行して塗り進めます。
テクスチャをON!
テクスチャが入るだけでもグッとスイカっぽくなりますね。
今回は画材屋さんで買った「雲龍紙」という和紙を
スキャンして作った素材を使用。
このテクスチャとぼかしを併用すると
日本画っぽく見えたり浮世絵っぽく見えたりするのでよく使います。
乗算で種の周りのくぼみや割れ目を描き込みます。
くぼみの周りに白で、
スイカの中心の割れ目に明るい黄色で
ぼんやりハイライトを入れます。
種の周りだけを残して果肉の赤を鮮やかにします。
これをするとしないとではリアル感にかなり差が出る気がします。
種とくぼみの周りに強めのハイライトを入れます。
目立つ白をスクリーンで、ぼんやり緑をオーバーレイで。
このあたりで
ちょっと描き込みすぎて人物との馴染みが悪いな〜
と感じたのでハイライトの不透明度を下げます。
今回は気持ちマットなかんじにしようと思いました。
線画レイヤーも色面に合わせて調整します。
そんなこんなで
背景色+テクスチャを入れて、全体の色バランスを整えて
スマートシャープで引き締めて
ハンコ、クレジットを入れて完成。
今回は線画にあまり時間をかけず、
でもなんとなく細密画っぽく見えるように描いてみました。
描くというより版画に近い感覚。
人物なしでスイカ単体なら
ハイライト強めでシズル感を強調してもよかったですね。
おまけの2Pカラー
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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