武漢肺炎の表紙用_白

2019 Novel Coronavirusの治療に関して

  2月2日に明るい話題が舞い込んできました。それぞれ別の治療薬で悪化していた肺炎が快方に向かったという話題です。

 2件の朗報(抗ウイルス薬 米国エボラ、タイHIV)+α

○一件目||(米国)
 エボラ出血熱治療用の実験薬「レムデシビル」

エボラ出血熱治療用の実験薬「レムデシビル」投与で増悪する肺炎が一晩でほぼ全ての症状・所見消失❕ その後は経過観察を行っているそうです。

 米国のレムデシビルによる治療をまとめた論文、
「米国での2019年の新規コロナウイルスの最初の症例」
タイトル未設定の表示ですが、リンク先には見ることが出来ます。

 

○2件目||(タイ)
エイズウイルス治療薬「ロピナビル」と「リトナビル」、インフルエンザ治療薬「オセルタミビル」⁽タミフル⁾を混合投与

 タイで行われたこの投薬はインドの論文に説得力を持たせました。
インドデリー大教授が発見したAIDSの蛋白挿入が4ヶ所見つかったという論文⁽2020/01/31⁾が発表直後から話題になっていました。


 「レムデシビル」と中国

 レムデシビルの米国論文の嬉しい知らせのツイートについた返信、中国メディアが続々レムデシビルの臨床申請を速報という早すぎる話題になります。
 どうやら、なんらかの事情があるようです。

 実は、米国製薬会社の開発したレムデシビルは緊急事態だからと無償で中国政府へ化学式を公開したところ、武漢病毒所に特許登録を申請されたというのです。俄かには理解できない展開ですが、中国となると合点行く展開でもあります。

 1月21日に無償で提供された化学式を基にレムデシビルを作成し臨床を行い、勝手に特許を登録を行っていました。
 そういえば、ツイッター上で21日以降に不審な呟きを所々で見かけた理由が理解できた気がします。
(「なんで中国で使われている特効薬について誰も話題にしないんだ」的な呟き。この手の話題にも五毛党が暗躍するのか、と驚きました)

武漢ウイルス学研究所は、軍事ユニットと連携して、1月21日に「瑞得西韋」で2019ニュークラウンウイルスの治療に関する特許を登録し、国際協定を通じてその権利を世界中に広めました。

蛇足:米国のレムデシビル使用による臨床の記事

⚠警告⚠-n
エイズウイルス治療薬「ロピナビル」と「リトナビル」

 タイメディカルニュースの記事からは、武漢肺炎⁽2019-nCoV⁾の流行により中国の状況と中国とアジア諸国のお薬に関する混乱と危険性について見えてきます。

A警告:コロナウイルスの自己処方による新たな危険傾向、
   カレトラ*の価格急騰、
   抗ウイルス耐性

 Thailand Medical Newsは、WHO、政府、および保健当局の全世界にアピールしており、医師は、過去数週間に多数の影響がある傾向に注意する必要があります。  (2020年2月7日)

 *カレトラ®(ロピナビル/リトナビル)

 お薬とパラノイア
 薬物を含む医療供給不足が起こった際、受診し治療が困難になる事を予期した人々が、パラノイアとなる危険性をThailand Medical Newsは訴えています。
 多くの人が薬を買い溜めし、自己判断で服用しコロナウイルスの感染を防ごうと考えます。その行動は、いくつもの問題を内包しています。

 中国のお薬事情
 オンライン医療情報を簡単にアクセスできるようになった結果、病院に直ぐには掛かれず、すぐに医療を受けることができない多くの中国人市民たちは、選択が限られています。
 現在、コロナウイルスとそれに付随する症状に対して、薬をオンラインで注文するか、他の国の友人や親戚にこれらの薬を送ってもらっています。

各国のお薬事情 
 シンガポール、タイ、香港、マレーシア、フィリピンなど、薬局でNSAID、イブプロフェンを買い込む人々がいます。
 抗生物質やステロイドが簡単に購入できるタイなどの国では、タイ人や中国や他の国の人々が大量に購入し、在庫不足に陥りました。
 医師の処方薬で規制薬物であるにも関わらず、多くの薬局では違法にインフルエンザ抗ウイルス薬を購入し販売しています。
医師の処方箋と監督なしで服用されるカレトラ
 そして、最も危惧する事。
 それは、オンラインで医療情報を読んだ多くの人が、医師の処方箋なしで製薬会社AbbVieによってロピナビル/リトナビルの抗ウイルス薬であるカレトラ(アルビア)などのHIV抗ウイルス薬を購入し、医師の監督なしでそれを消費している事です。

 ○三つの問題点

   一、服用者の健康に関する問題。
   二、医療用の薬物の高騰と偽薬の蔓延。
   三、薬の濫用による薬剤耐性。

 一、高騰する「カレトラ」

中国と「カレトラ」高騰  
 中国では現在オンラインでの医療アクセスが不可となっており、様々な手段で薬物を入手し自分で治療を行う状況の中、「カレトラ」は、コロナウイルス大流行初期段階で中国医師により最初に使用された薬であった為、SNS上で話題になったといいます。
(但し、最近では患者がよく反応しないことが報告されていることに注意してください。:カレトラのネブライザー インターフェロンα使用)
 それにより、カレトラの元のバージョンは供給が不足しており、その価格は現在タブレットあたり100 mgのタブレットが1錠あたり60米ドルと価格が高騰しています。

インドのジェネリック薬も高騰
 そこで、現在、多くはインドのジェネリック版に頼っています。インドのジェネリック版は、60個の100mg錠剤1本あたり約18米ドルで販売されていました。ただし、現在の価格はボトルあたり300米ドルにも達します。

展開されるお薬の問題
・違法ネット販売とインド小売業者、需要に間に合わない供給
・政府の無料薬物を転売してしまうHIVユーザーの為のオンライン転売ショップ
・偽の抗ウイルス薬で溢れかえる市場

 ⚠エボラ抗ウイルス薬「レムデシビル」不穏な報告

ギレアデのコロナウイルスの実験薬でさえ、レムデシビルは1つの違法なオンラインドラッグストアでオンライン販売されているのを見たと報告されました。

 二、服用者の健康上の問題

 適切な医学的監督なしに薬を服用することの危険性は、特に個人が何らかの基礎疾患を持っている場合には非常に大きく、長期的な影響も問題です。
 ほとんどのHIV抗ウイルス薬は多くの点で有毒であり、誤った使用は深刻な健康上の合併症を引き起こす可能性があります。

 三、薬剤耐性への深刻な懸念

 最悪なのは、HIVまたはコロナウイルスがないときにこれらのHIV抗ウイルス薬を服用すると、深刻な結果につながる可能性のある新しい耐性が発生する可能性があることです。
 そのような無謀な行動のために、抗ウイルス抵抗性である新しいスーパーウイルス株の可能性が容易に現れる可能性があります。

 2019-nCoVの流行の山はまだ先の状況でワクチン開発も当分先になる事が分かっている現時点で、治療薬に関する明るい話題2件は朗報の筈でした。
 ところが、その治療薬の効果は医学知識の乏しい人々の藁をも縋る手により驚愕の速さで失われる可能性を携えていました。
 AIDSの抗ウイルス薬「カレトラ」は価格高騰と、既に効き目が失われつつある可能性があるというのは実に恐ろしい話です。
 そして、もう一つの治療薬「レムデシビル」は、化学式を中国に提供し武漢病毒所が特許登録した事がどのように明暗を分けるのか先行きが不透明で怖い状況です。というのも、医学に疎い者による目先の営利追求が行われれば、闇での売買が盛んになり耐性可能性のある非常に拙い状況だと思いました。
 今までネット上で拾い集めた2019-nCoVの特色と鑑みると余計切実に感じます。
  徒に恐怖で扇動するつもりはありませんが、ウイルスの封じ込めに失敗し人類が大敗を喫する可能性を大いに秘めています。

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