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幸せに導く牛

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幸せへ導く牛

幸せへ導く牛

牛の神様だと自称する、関西弁を話すスナックのママが、ダメダメな僕により良く生きる知恵を教えてくれる物語。
ベストセラー「夢をかなえるゾウ」と斎藤一人さんの著者にインスパイアされて書いた、フィクションです。

幸せに導く牛 プロローグ

幸せに導く牛 プロローグ

宇宙の果てはどこにあるのか。
この星空の向こうの宇宙空間はどこまで広がっているのか小学生からの素朴な疑問だ当時はそんなミステリーなことを含めて果てしなく広がる夜空にロマンを感じたり心が広くなっていくような感覚を覚えていた。
壮大な宇宙に、自分の悩みなんかちっぽけに
思えた。

しかし、今では素直にそう思えない時がある
心が落ち込んでうつ状態になっているときは
この夜空ですら怖く感じるのだ。

この

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幸せに導く牛 1

幸せに導く牛 1

「アハハハ!めっちゃ楽しい。テンション上がるわー。」

大学の教室で友達数人とで談笑している。

その中にかわいい女子も2人いて、タイプの方の子と僕とで話が盛り上がっている。

「楽しい学生生活だ。青春だなー。」と浸っていた。

そんな幸せな時間なのに、何か、違和感を感じはじめていた。

そういえば、周りの色がぼやけてるような・・・。

どうも現実ではないかもしれない。

いやな予感がしてきた。

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幸せに導く牛 2

幸せに導く牛 2

仕事は、父が始めた牧場で肉にするための牛の飼育をしている。

住んでる実家の近くにあり、大学を出た2年後に就職したのだ。

この牧場は、このあたりでは大きく、県内の同業者の中ではまあ知られている。

牧場というと、のどかな感じだが、不景気の影響もあり、大変な環境、理不尽な状況もある。

休みと給料が少なめで、3K。(危険、汚い、きつい。最近使わない言葉だが。)

自己中な社長。

ガンコな職人タイ

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幸せに導く牛 3

幸せに導く牛 3

牧場の仕事が終わり、帰宅して入浴の後、自分の部屋でボーっとしていた。
明日は休みだー。やったー。気楽だ。

ポケットの折りたたみ式の携帯電話から聴きなれた着うたが流れた。

画面を見ると、飲み友達のアイツだ。明日休みだから遊びの誘いならいいな。

出ると、
「おつかれー。
今日、飲み会あるから行こうよ。車だしてよ」と。

「急だなー」と乗り気だけども、ちょっと渋ってみる。

「女の子も来るから。」

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