【韓国論文】ちょうどいい音節数の単語にするための工夫
1.単語構造を知れば覚えやすくなるかも
外国語学習でとにかく大変なのが、単語学習です。
上達のためにはコツコツと毎日覚えて知っている単語数を増やす必要があり、一度覚えたと思ったら忘れてしまうことも悩ましいでしょう。
また、単語は次から次へと新しく作られ辞書にも載らない単語が日常的に使われていたりします。
しかし、新しく作られる単語も成り立ちが分かれば、初めて見る単語でも意味を把握できるようになれます。
今回は、二つ以上の要素がくっついた単語の音節数に注目して単語の構造を分析した論文を共有します。
共有する論文:チェ・ヒョンヨン「単語の形成と音節数」
2.単語の一部を切り貼りしてみる
この論文は、単語が作られるときの韓国語の音節数の規制に注目して、論じています。
韓国語では、場合によっては正しい言い回しよりも音節数を調整するために短く言い換えることがあります。
例えば、次のような広告のコピーでも、はっきりと伝えるよりも音節数を重要視していることがわかります。
このように音節数を重視して単語が作られる過程で、論文の筆者は置き換えと切断という現象に注目しています。
例えば、置き換えによる単語形成として次のような例を挙げられます。
a)では、単語の構造的部分と音節数が一致している例です。
その反面、b)とc)では単語の頭の部分を同様の属性の単語(小豆팥→イチゴ딸기)に置き換えてはいるものの、音節の数は異なります。
そのため、同じ構造を持つように単語の一部を置き換えるということを意味するが、音節数にはあまり重要視しないことが分かります。
そこで、注目するのが切断による単語形成です。
もともとの音節数を合わせるために、より短くする過程を経て作られる単語として次のような例があります。
このように、파파라치から ~파라치の形を作るために単語の一部分が切り取られていることが分かります。
他にも、삼계탕もサムゲタンの半分量を指すために반삼계탕と表現できそうなところを元々の3音節に合わせるために반계탕にしています。
つまり、この場合は置き換えと異なり、単語の構造的部分より音節数を合わせることに焦点が当てられているといえます。
また、このような単語の一部を切断して新しい単語を作るやり方は、개구리、멍멍이のような動物の鳴き声から動物の名前として使われている例でも見られます。
論文では、切断と合わせて混成という現象にも注目しています。
混成は、2つの単語の一部だけをくっつけて1つの単語を作るやりかたです。
上記のような単語を論文では意味論的に分析をしていますが、形態論的な分析の可能性も提示しました。
以上のように、論文では先行研究において単語の形成を分析するとき、単語の内部構造に注目し音節数を単語形成における制約の水準としてみることに異を示しています。
単語形成において音節の数を合わせるための過程に切断と混成の現象は、興味深い事例であり、再評価されるべきだと主張しています。
しかし、実際語の合成語まで取り上げられなかったことを研究の限界とし、単語形成についての包括的な検討の必要性を指摘しました。
3.新語や略語の意味を考える時に
論文で取り上げられた、置き換えや切断、混成の現象を知っていると、まだ辞書に載っていない新語や流行語の意味を把握するのに役に立つと思います。
反対に、これらの仕組みを活用して、わたしたち学習者のほうからそれっぽい新しい単語を作ることもできるようになることが期待できます。
特に、単語の一部を切り取って短い1つの単語に作るやり方は、略語を分析するときにも有用そうです。
音節数をそろえると、声に出した時にリズムができて言いやすさや韓国語っぽさを演出できます。
たくさんの単語に触れたり音読することでパターンをつかんでいくことが大事ではないでしょうか。
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論文
チェ・ヒョンヨン(2004)「単語形成と音節数」、『韓国語韓国文学』138、韓国語韓国文学会、pp.183-205
최형용(2004)「단어 형상과 음절수」,『국어국문학』138, 국어국문학회, pp.183-205
반계탕のような単語は文化的要素も強く反映されています。言葉をそのまま覚えるだけでなく、文化理解をもとに韓国語を学んでいくことの必要性を次の記事で紹介しています。
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