【検査準備】papakosoマスク大作戦③
布マスクの使用目的は、大きく次の2点。
・花粉やほこりなどの粒子が体内に侵入するのを抑制すること
・かぜなどの咳やクシャミの飛沫が体内外に侵入、飛散するのを抑制すること
となると、マスクを着用することで、どの程度細かいものをブロックしてくれるのか、ガードしてくれるのか、という点は作り手として把握しておきたいところ。
昨今ではメーカーではない方も、ご家庭でマスクを作られていますが、商品として販売するとなると、やはり品質はとても重要です。
メーカーとして、検査機関でしっかりと検査を行います。
根拠に基づかない表示はNG
前回の生地にも記載しましたが、マスクをすればすべてのウイルスをブロックできるわけではありません。
日本衛生材料工業連合会のでは、マスクの表示について自主基準を設けていますが、商品の性能、品質、企画その他の内容について合理的根拠に基づかない表示はしてはならないとあります。
布マスクや家庭用マスクで、根拠の明示がなく「花粉カット」「ウイルス対策」などとは書いてはならないのです。
花粉と同等の粒子を使用した試験
今回実施するのは、マスクが、花粉代替粒子を物理的に捕集する性能を試験するものです。
この試験に用いる花粉代替粒子には、粒径がスギ花粉と同等の約30㎛で、アレルギーの知見が報告されていない天然粒子です。
画像は試験用に用意した縫製見本です。
この縫製見本に、試験粒子を一定流量で均一分散落下させ、規定量の試験粒子が試験片を通過した量を計測し、捕集効率(%)を算出します。
はたしてどのような結果が出るのか。
現在は試験機関が混みあっているので、結果が出るまでしばらくかかりそうです。
尚、この数値は必ずしも公表するものではありません。
検査結果をもとに優良誤認とならないよう正しい表示をし、品質を高めるためのデータとします。
ホルムアルデヒド試験
もう一つの試験はホルムアルデヒドの試験。
ホルムアルデヒドには、防腐作用・殺菌作用などがあり、衣料品関連でも樹脂加工などの際に使用される便利な物質です。しかし、人体への影響があるため日本では法規制によりその使用を制限しています。
マスクはその対象ではありませんが、口元につけるものですから、自主判断でこの検査を実施します。
この結果も必ずしも公表するものではありませんが、下着、寝衣、手袋及び靴下などに設定されている検出量20μg/g(20ppm)以下を目安とし、この数値を超える生地は使いません。
画像の生地は、マスクの肌面に使う有力候補のニット生地ですが、これらの検査で思うような結果が出ない場合は、他の生地をあたることになります。
検査で思うような結果が出て、且つもう一つの問題点、縫製も問題ないということになれば、晴れてこの生地を採用となります。
まだ採用決定前のため、熱く語ることは控えますが、この生地、ものすごく優れた生地なんです。
使いたいなぁ。
そして最後ににお約束の広報活動
現在、日経新聞社のクラウドファンディングサイト「未来ショッピング」にて、家族が川の字で寝る掛布団「つながる布団」の先行販売を実施しています。
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