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ぱいぱいあげ美ちゃん

いきなりのタイトルに何事かと思われたかもしれないが、これは0歳児育児をしている私の家での呼び名のひとつである。

0歳児にとって食事のひとつであることはもちろん、なんで泣いているか分からない時、眠いのに寝れない時、そこにぱいがあるだけでピリついた空気が一変、平穏な時間となる。

そして
「あげ美ちゃん来てくれてる」
と周りの人々(夫)にも感謝されるのだ。

思い起こせば思春期の頃から、自分の胸に良い印象を抱いたことは一度もなかった。

子どもから大人に変化する過程でも特に様子が変わらないほど存在感がなく、水着になるのはもちろん、普段の洋服でさえ下半身のボリュームを目立たせバランスが悪く見えてしまうのも嫌だった。

若い頃は友人と連れ立って育乳ブラを買いに行ったり、少し怪しいサプリを試したこともあったが、案の定変化はなかった。

そんな風に昔から「いるのかいないのか分からない」空気のような存在だったぱいが、まさか自分の呼称に使われる日が来るとは。

それどころか今や、果てしなく思えるような0歳児育児の日々の中で、戦友のような存在になっている。いつも昼も夜も頑張ってくれて本当にありがとう!とぱいに感謝する日々だ。

けれど右ぱいは上の子の吸い癖の影響で半分ほどしか機能しておらず、現状主に戦力になっているのは左ぱい。そんな左ぱいも相方の分の負担まで背負わされ、乳腺外来の助産師さん曰く「なんで私ばっかり…」と不満顔で疲れ切っているそう。

もし1歳頃に卒乳するとしたら、あげ美ちゃんの役目も残り数ヶ月となる。日々ハードワークを全うしてくれているぱいに感謝しつつ、どうか引退後もその存在感を失わずに(しぼまず上を向いて)いてくれることを願っている。

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