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育休明けのトラブル!異動、雇用条件変更、それって不利益変更かも⁈対応方法と匿名相談先。

「育休を機に、給料を減らされた。転属させられた。」そんな話は他人事だと思っていました。まさか我が身に起こるとは…

自身の体験をもとに、不利益変更とその対応、対策をまとめました。

不利益変更って何?

育児・介護休業法によると、育休を取ることで労働者が不利益な状況に陥ることを法律で禁じています。

<育児・介護休業法第10条>                              事業主は、労働者が育児休業の申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

出典:厚生労働省 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)

では、「不利益な状況」とは、具体的にどんなことが当てはまるのか見てみましょう。

<育児休業等の申出・取得等を理由とする不利益取扱いの例>                1 解雇すること。
2 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。
3 あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。
4 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規雇用社員とするような労働契約内容の変更の強要を行 うこと。
5 就業環境を害すること。
6 自宅待機を命ずること。
7 労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限 又は所定労働時間の短縮措置等を適用すること。
8 降格させること。
9 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。
10 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。
11 不利益な配置の変更を行うこと。
12 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒む こと。

出典:厚生労働省 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)

以下は、労働局の雇用環境・均等部に問い合わせた内容をもとに書き起こしています。細かなケースごとに判断基準が違いますので、あくまでも参考程度にお読みください。

例1.雇用形態の不利益変更

4 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規雇用社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。

こちらの判断基準は、会社側が変更を強要したかどうか。あくまでも労働者に選択させた場合は、不利益とは言いがたいそうです。

例えば、正社員には土日勤務が含まれていて、育休明けを機に平日勤務のみの非正規社員を選ぶ…という場合は不利益ではありません。

しかし、会社から「急に休まれると周りも困るし、正社員のままだと他の人の目もあるから、非正規社員に…」と強要された場合は、不利益と言えるでしょう。

例2.給与額の不利益変更

9 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。

育休明けに時短勤務など、働く時間が短くなったことによる給与減額ではなく、育休を取ったことで復帰後の給与が減らされた場合は、不利益変更と考えられます。

例えば、同じ職場に同じ雇用形態のまま復帰するのに、給与額を減らされた場合は、抗議すべきでしょう。

例3.配属先の不利益変更

11 不利益な配置の変更を行うこと。

こちらのポイントは、就業規則や育児休業取扱通知書にて、配属先・配置変更の記載があるかどうかです。

就業規則や育児休業取扱通知書にて、"復帰後は基本的に元の職場に戻すこととする。但し、職場を変更する場合もある。"などと書かれていると、以前と異なった配属先に変更されても受け入れざるを得ないそうです。(相談・交渉はできます)

但し、残業だらけの部署に変更になった、勤務地が遠くなったなど、客観的に見て、明らかに育休前の雇用環境と比べて働き辛くなる場合は、不利益変更とみなされるでしょう。

では、就業規則に"復帰後の職場は変更することがある"と書かれている場合、育休明けの職場・仕事内容が変わることによって、給与が減額するというケースはどうでしょうか。

細かいケースごとに結論は違いますが、残念ながら不利益変更とは言い難いとのことです。

但し、客観的に見て明らかに給与減額の幅が大きすぎる場合は、不利益変更として話し合ってみることはできそうです。

不利益変更と感じたら?

ここまで読んで「わたしのケースは不利益変更だ!」と思われた方、まずは「労働局の雇用環境・均等部」に電話をして相談しましょう。

都道府県労働局雇用環境・均等部(室)では、労働者と事業主との間で、男女均等取扱い、育児・介護休業、パートタイム労働者の雇用管理等について民事上のトラブルが生じた場合、解決に向けた援助を行っています。

出典:厚生労働省 雇用均等部

会社に掛け合う前に、こちら側の説得材料を増やし、どのように話すかを練っておくことが大事です。

育休明けの仕事復帰は、不安と悩みがつきものです。もしかしたら、育休を取得したことに対し、後ろめたさのようなものを感じている方もいらっしゃるかもしれません。

そのような状況の中、会社側と交渉するのは勇気がいりますよね。「復帰後の雇用条件について納得いかないけれど、会社の言いなりになってしまった…」ということのないように、会社側と「対等に穏便に」話せる方法をプロに聞きましょう。

電話番号 : 都道府県 雇用環境・均等部(室)

労働局にはプロがたくさんいます。客観的且つ公正な視点でしっかり話を聞いてもらえますし、どのように会社側と話を進めるべきか具体的なアドバイスももらえます。

電話は匿名でかけることができますし、会社名を伏せて相談できるので安心できます。また、相談窓口の方には、守秘義務が課せられているので、情報が外部に漏れることはありません。

さらに、一度電話で相談した担当の方に、後日また相談ということも可能です。

わたしは実際に、雇用環境・均等部に電話で相談をしました。そして再度会社と話し合い、納得のいく雇用条件に戻してもらうことができました。

会社側も人間です。あってはならないことですが、担当者や上司が法律に詳しくない場合もあり「してはいけないことを知らない」可能性もあります。

話し合う時は感情的にならないように心がけ、感謝の気持ちを伝えつつ、会社側に説明を求める形で話し合うことが大切です。「法律違反だ!」ではなく「雇用条件変更の理由が分からないので、規則などで明示されているのかも含めて、確認したい。詳しく教えてほしい。」という方向で話してみましょう。

ワーキングパパ、ママが気持ちよく育休取得、仕事復帰できるような世の中なりますように。

✳︎最後に、わたしが困ったときにすぐに相談に乗ってくれて、サポートしてくれた養成講座仲間に心から感謝しています。✳︎

お読みいただきありがとうございました。他の記事も読みたい方へ。全記事のサイトマップはこちらです。あなたのお役に立てる記事がひとつでも見つかりますように。


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