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おじさんこそイシューからはじめよ

ビジネスの豊富な経験は、貴重な財産。

ですが、経験の蓄積があるがゆえに、部下や後輩から相談を受けたときに、実はイシューを外すイタいおじさんも多い。
(ハイ、自分もそのおじさんの一人ですが。。)

イシューを外すおじさん

そんなイタいおじさんとして

●過去の武勇伝を語る
「俺のときはなぁ・・」と過去の成功体験を語り始める。

相談に乗るというよりも、往々にして、自身の武勇伝を聞かせることが目的になっている場合も。

●行動を最優先にする
「答えは会議室ではなく現場にある
」と言わんばかりに、何よりも部下に行動を促す。

考える時間や仮説をたてる時間よりも、現場を回る時間を評価する。
本人は「やってみなはれ」の精神を過大にリスペクト(あくまで推測)

●細かいところにこだわる
決めゼリフは「神は細部に宿る

方向性や大きな枠組みを議論する場面でも、誤字脱字や細かい文章の表現を気にする。大勢に影響がない意見や修正も多い。

●自身の得意分野に誘導する
テーマが何であっても、自身の専門性のあるテーマや得意分野にこだわる。

意識がなくても、知らずに自分の得意分野に誘導。部下が相談したいテーマから完全にずれてしまうことも。

●あるべき論だけを語る
「そもそもこれは・・」と原理原則を語り始める。

原則論で判断が難しいからこそ、部下が相談していてもお構いなし。固定観念にとらわれ、柔軟に理解する気もなし。

●余計なアドバイスをする
「あ~それはね・・」と先回りして判断やアドバイスをする。

話の途中で判断したり、部下が考えるべきことまで決めてしまったり。良かれと思って、細部にまで口を出すことも。

などなど。
もちろん、長年の経験を活かした的確な対応もありますが、イシューを外し、悪い方向に進む場合も多いように感じます。

改めて「イシュー」とは

イシューを一言でいえば「本当に解決すべき課題・問い

(日々の仕事で「イシュー」なんて、おしゃれな言い方ができませんので「解決すべき課題」ぐらいな感じでしょうか)

そんなイシューをテーマにした本が、安宅和人氏の不朽の名著「イシューからはじめよ」

本書では、どれだけ的確なイシュー(課題・問い)が設定されるか、が大事。なぜなら、素晴らしい答えを考えても、イシューを間違えていたら、意味がない。と説きます。

「解決すべき課題」 ⇒ 「答え」

答を出す必要性のある『課題の設定』こそ、最優先のテーマ。

バリューある仕事とは、イシュー度(答えを出す必要性)と解の質(イシューへの答えの度合い)の高いもの、としています。

どうする、おじさん

おじさんのなかには、若いときにこの名著に感銘を受けた人もいるかもしれませんが、今ではイシューからズレても気づかない状態に・・・

そんなおじさん(自分)がどうしたらよいか、改めて考えてみると

相手の話を最後まで聞く

相手からの相談であれば、まずは話の腰を折らずに最後まで聞く。
話の途中で、展開が予測できても、相談者の意図も含めてまるっと理解できるようにする。

イシューを確認する

相談されたときに、条件反射的にすぐに回答せず、それが本当に解決すべき課題、イシューかどうか確認する。

面倒であっても、ちょっと立ち止まって、相手がつくった答よりも、まずは相手が何に答えを出そうとしているか、を気にかける。

自分がイシューを設定するというよりも、質問をして相手にイシューが適切か、考えてもらう感じでしょうか。

自分のことは控え目に

「自分のときは・・」とか「自分ならこうする」といった、自身の話は極力、控えたほうがよい気がします。

イシューとなる課題設定がしっかりしていれば、相手の答え(アイデア)を後押しするぐらいで、ちょうどよい気もします。

最後に

おじさんは自ら、遠回りをする「犬の道」を歩かないようにするのはもちろん、相手が根性だけで突き進むことがないようお手伝いすることも大事ですね。

まずは、自分がイシューから外れて、迷わないように気をつけます。

おわり。


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