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そろそろ 5月

こんにちは やよいです。
京都でこどもを巡る暮らしのサポート〔やよいの保育〕をしています。保育園は働く家庭にとっても子どもたちにとっても身近でなくてはならない存在です。その保育園とのちょっとしたおつきあいの仕方、心づもりを持っていると更に頼りになる心強いパートナーとなります。季節に合わせた保育園の様子からちょっとした心づもりをお伝えします。

新緑のまぶしい季節になりました。あちこちで色とりどりの花が咲き、虫や鳥が飛び交い、外気に触れるだけで身体が緩むのを感じます。緊張の多い新年度ですが、さわやかな春の息吹に大人も子どもも随分助けられます。

慌ただしかった1か月が過ぎ、親も子もほっと一息つける連休がやってきます。決められた時間に合わせないといけない生活から、時間を気にせず自分のペースで過ごせるのは身体も心も緩んでリラックスして開放感があります。ただやはりどこかで規則正しい生活リズムは意識しておいて欲しいところです。それは休み後の保育園生活に戻しやすくなるというのもありますが、なにより身体が心地良いからです。

私がお勧めしているのは、連休に限らず休み中も保育園での生活リズムと同じように過ごすことです。起床就寝時間もですが、昼食やおやつ、そして午睡をしているならおうちでもお昼寝時間を取りましょう。

よく保育園では2時間くらい寝るのに、家では30分くらいで起きてくる。もしくは全くお昼寝をしないというのを聞きます。保育園と家での活動量の違いなどもあるかもしれませんが、保育園では午睡環境を整えて、子どもたちが睡眠の確保をできるように保育士はかなり細かい配慮をしています。

愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センターの研究「未就学児の睡眠指針」では、新生児は1日に16時間以上、年齢にとともに徐々に減って、乳児期(6か月~1歳)13~14時間、乳幼児期(1歳~3歳)12時間、幼児期(3歳~就学前)11時間となっています。

詳しいことはこちら「未就学児の睡眠指針」をお読みください。

これを読むとやはり子どもには午睡が必要だと思います。特に保育園は集団生活なので、常に大勢の人がいる状態です。これは想像以上に心身を消耗します。ぐっすり眠らないまでも、休息をする、オンとオフのじかんを取るというのは午後からの活動を気持ちよく過ごすためにも必要かと思います。

さて保育士が午睡時間にどんな工夫をしているかと言いますと、

*午前中の活動時間はたっぷりあそぶ⇒お腹が減る
*おいしく給食を食べる⇒眠くなる
*静かに落ち着いた雰囲気で入眠
*同じ部屋の中で必ず保育士が近くにいる
*起きそうになった子には寝なおしができるように背中をさすったり、手を添えたりする
*こまめな室温調節

などなど。午睡中であっても部屋を離れたり、子どもから目を離すことはありません。特に乳児は突然死の危険性から、10分から15分ごとに呼吸のチェック、仰向け寝への促しをします。

また起きそうな気配があればすぐに対応できるようにしています。また、眠りが浅くなるタイミングがあるのでその時間を把握して、その時に対処できるように常に目配りをしています。ひとりの子が泣いて他の子を起こすこともあるので、保育士同士連係プレーを取りながら毎日あの手この手で子どもたちの睡眠を確保しています。

毎日の積み重ねで、初めは短かった午睡時間も徐々に伸び、ちょっとした物音でも動じなくなり、いったん目が覚めても担任の気配を感じてまた寝につくようになります。ここまでくるとしっかり午睡時間を取ることが出来ます。

お家ではここまでするのは大変かと思います。住環境や兄弟関係など事情も様々なのでできる範囲の中で、眠りにつかなくても横になって休息する時間があってもいいかと思います。

さてそんな悪戦苦闘の1か月を過ぎると、そろそろ、新入園児も保育園の生活に慣れてきて、楽しいことが増えてきます。

その一方で、すこーし様子を見ていた在園児が、そろそろ、いいかなぁとばかりに甘えだします。やんちゃをしはじめます。

子どもたちの表現の仕方は様々です。
はじめから、いやだーと全力で泣いて、抵抗して、表現をする子もいます。そういう子たちは案外慣れるのが早く、泣くだけ泣いて自分を出し切ると、新しい環境を受け入れはじめ自分の楽しみを見つけ出します。

一方でそういう子たちをそばで見ている子たちもいます。泣いている子を見て同じように悲しくなってしまう子もいます。自分のタイミングを出しあぐねている子もいます。そういった子たちが、クラスが落ち着き始めたころ甘え始めたり、大人を困らせたり、お友だちに意地悪をしてみたりと大人の気持ちが自分に向くような行動をとります。

また、幼児になると学年が上がり「おにいちゃん」「おねねちゃん」になった喜びから、ものすごく張り切ります。なんでもできる気がします。そして頑張って何でもしようとします。だけどそろそろ疲れ始めちゃうのがこの5月です。

あれ?今まで自分でできてたのにどうしたのかな。
あれ?機嫌よく登園してたのに行き渋りしはじめた。
あれ?だっこ、だっこと赤ちゃん返りしてる。

などなど、あれ?と思うことが増えてきたら、そろそろ出してきたなと思ってください。そしてそろそろ大人の出番だなあとこころの準備をしましょう。

その時に気をつけたいことは、大人が大人として子どもに接することです。子どもが揺れているときは、大人もおろおろしてしまいます。だけど、同じようにおろおろしてしまったら、子どものこころはもっと揺れ動きます。

大切なことは大人が大人であるということ。それは決して子どものすべてを受け入れすぎてしまうことではありません。子どもの要求のままに全部を受け入れてしまうことは、なにかがあった時にその責任さえも子どもに委ねてしまうということです。やはり最終責任は大人にあって、ことの良し悪しの分別さえも子どもに委ねてしまうことはとても重荷です。

大人が大人であるから、子どもは子どもでいられるし、思う存分子どもとしての自分を出すことができるのです。だから、子どもが揺れているときは大人の踏ん張りどころです。人それぞれ自分の中で、どうしても譲れない線があるかと思います。その線は大事にしてください。そしてそのことを子どもに伝わる言葉で態度できちんと伝えましょう。

これは案外難しいです。気持ちが折れてしまうこともあります。それでも押したり引いたりしながら、関係というのは成り立ち、そうやって時間をかけてつくられた関係はその後の大きな支えとなります。

子どもは大人が考えている以上によく見て感じています。大人が頑張っていることにも気がついています。親子で朝のお別れがうまくいかなかったとき、受け入れてくれるのは保育士だけではありません。クラスのお友だちの「いっしょにあそぼう」というひとことが大きな支えになることがよくあります。それをきっかけに保育園がまた楽しい場になります。保育園は縦にも横にも斜めにもいろんな関係性が生まれるところ。それが魅力でもあります。


そろそろ、予感のする5月の心づもり


やっぱり大切な規則正しい生活

子どもの”そろそろのサインに気がついたら、大人の踏ん張り時


6月の心づもりはなんでしょう。楽しみに1か月お過ごしください。



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