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【心霊ログ】実家で亡くなった祖父に会う

わたしの実家には使ってない部屋があった。

祖母が息を引き取った部屋でかつ、なんというか怖いのだ。怖い顔のお面もあったし。

子どもの頃は弟もわたしも近づかなかった。

というかいい年齢…つまりは高校生になっても正直にいうと怖かった。なんだか鳥肌が立つのだ。

子どもの頃のフレッシュな感受性でずっと、
その部屋は異質なものだったから。ゾワゾワしたから。

そして、わたしが高校卒業から大学にはいるまでのあいだに事件がおきた。

ある日、理由は覚えてないのだがその部屋にひとりで入る必要があった。

なんとなく抵抗があるのはいつものことで。そのまま扉を開けて電気のスイッチをつけようとしたら


 




おじさんが立っていた。








180センチくらいの背広を着た50代くらいのおじさんが俯いていた。

こちらには背を向けて。




そして全身が青白く発光しており足元には机があり貫通…


もとい、
足がうっすら透けていた。






全身からあっという間に血の気が引いて、
わたしは動けなくなった。


もちろん電気のスイッチもつけることが出来なかった。





ただただ凝視することだけがわたしが許された動きだった。




そのおじさんはゆっくりと頭を上げながら、
こちらに振り返ってきた。





わたしは動けなかったが、緊張のピークだった。




そしていよいよおじさんの顔が見える前に、







ふっと消えた。







わたしは一瞬で力が抜けて電気をつけた。



そして家族のいるリビングに走って逃げて、
そのことを話した。





家族はそんな夢物語な…という態度はせずにわたしの言うことはやんわりとは聞いてくれた。




お陰で冷静さを取り戻せたが、
一体ではあの部屋にいたのは誰だったんだろうと考えた。




亡くなった祖母ではなかったのは確実で。



正直、顔がみえなかった(見えなくてよかったけど)から断定はできない。



が、わたしは祖父ではないかと思う。
背丈やざっくりした判断材料しかないが祖父の写真と近いものはあった。

また祖父は祖母のことが好きだったらしい。



祖父は、わたしが産まれた数日後に末期の癌でこの世を去った。



亡くなる間際、祖父は「おじいちゃんって言わんなぁ…」
とわたしの顔をみて言ったらしい。
もちろん冗談なのだが。




もしあれが祖父なんだと仮定したら、



成長したわたしにはこう言って欲しいと思うのだ。




「おじいちゃん」




あなたが必死に生きてくださったお陰でいまのわたしがありますよ。




と。



「おじいちゃん、ありがとう。」


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