【心霊ログ】座敷童に会う②
わたしが高校生から大学生になるあいだに、あった心霊現象について書く。
この記事は座敷童に会った話のつづきだ。
この日は、わたしの大学進学祝いに
レストランに家族で来ていた。
3つ歳下の弟も高校進学だったので、ダブルでお祝いだった。
とても幸せで感謝でいっぱいの時間だった。
そのレストランはかなり人気で席も少し狭めにとっていたのでゆったりと落ち着いているというよりは、活気があって賑わっている感じだった。
料理がつぎつぎに運ばれて、ホールの方がひっきりなしに円卓の席と席のあいだをぬって歩いていた。
楽しく家族で食事をしていたが、
またいたのだ。
オーバーオールの子どもが。
後ろからわたしをじっと見ているのが分かった。構ってオーラを感じる。
けれどわたしは断固として無視した。
何となくだが構うのが癪に障るというのもあるのと、恥ずかしい話だがわたしの家族はメシ戦争がハンパない。
人の取り分を考える機能がないダイソンのごとく吸引する父と、運動部バリバリの育ち盛りで胃液がエイリアンの弟がいる。
気を抜くと、
わたしが食べる分が本気でなくなる。
そんな環境で二十年育ってきたので、たとえ進学祝いだろうとご飯を目の前にしたら気が抜けなかった。
子どもに構ってるとやられる。
ってか親、回収してくれ…。
そんな気配を察してか、
オーバーオールの子どもはわたしの後ろをたったかたったかと何度も往復して走るようになった。
わたしは断固として無視した。
食べ終わっても。
これは恐怖とかでなく(このときはわたしはリアルに子どもだと思っていた)
ただのわたしの意地である。
絶対構ってやんねぇ!
そんな超がつくほど子どもじみた気持ちである。
そして帰り道、弟に
「子どもめっちゃ走っとったよなー!」
と話した。
「えっ?子ども走ってた?」
そんな言葉が返ってきた。
「わたしの後ろにオーバーオールの子ども走ってて、めっちゃうちのテーブル見てたやん!ずっと後ろ走り回ってたし!」
また沈黙が流れる。
「俺は気付いてないけど…。
お姉はその子どもなんでオーバーオールってわかったん?」
「ん?」
「いや、俺はお姉の前に座ってたから。
その子がいたら気付かへん訳がないと思うねん。」
「」
「お姉はなにでオーバーオールの子どもがいて、その子はどんな顔してたとか…そもそもどうやって見たん?」
「…あっ」
おかしいのに気付いた。
わたしはずっと目の前の
家族とご飯に物理的な視線はあった。
だけどオーバーオールの子どもを視ていた角度は、あきらかにわたしの目がついている方向からのビジョンではないのだ。
そしてレストランでオーバーオールの子どもがいるとき、
わたしは2つのビジョンを同時にみていたことにそこで初めて気づいた。
断固として後ろを振り返らなかったわたしに
子供の服装を確認する術はなかったはずなのだから。
前回はサラッと気にせず流した事件だったけれど、
この2回目の体験でわたしは心霊現象のような、説明のつかない体験を認めざる得なくなった。
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