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朗読劇『文豪、そして殺人鬼』前日譚の初見の悲鳴

登場人物

私:サイスタのサ終が担当の誕生日にぶち込まれたせいで頭がおかしくなって担当の中の人が二人出ている朗読劇(昼公演)のチケットを取った。

※ネタバレ有り!劣情有り!責任は取りません!

感想(声優さんへの演技について)

どこまでも緻密に描かれる、愛と地獄と『救い』の物語でした。
近年ホラー映画に傾倒している&それ以外は優しい話しか食べられなかったこともあり、こんなに丁寧丁寧丁寧に『死は救済』を叩きつけてくる作品自体が本当に久しぶり(何なら初見の勢い)で、もう後半からずっと鳥肌立ってました。
「愛している人に苦しんでほしくない」「でも苦しんでいる」「殺したくない」「でも救うには死しかない」そう思わせてしまう魔力が尺蓮慈という男には詰まってましたね。近年見た作品の中でもかなり好きな狂った男の造詣でした。
ていうか名前、『蓮』に『慈しむ』なんだね……開演前にフォロワーさんが「お釈迦様の誕生日にぶつけなくても」と言っていたけど、今になってその意味を理解しつつあります。救済の方向性が地獄。
何より、愛しているからこそ歪んだ、歪ませた、道を違えた、その地獄への道筋が本当鮮やかで現地で見てなかったら「広樹ッーーーー!!!!!!」ってなってたやつです。現地だったから悲鳴を飲み込んだ。
本当小松昌平の演技が凄くて、レンとトモキの畳みかけるように交互に台詞が切り替わるシーンや、最後の最後のシーンの独白が本当とんでもなかった。あの愛した男を取り込むシーンで情緒がグチャグチャになりました。
「広樹さん」「広樹さん」と蓮慈とトモキの声を滑らかに切り替えていくシーン、鳥肌だけじゃなくて脳まで直接侵食されるような怖気は現地でないと味わえないものだなあと思いました。
広樹や忠明の声を張るとは違う、どこか温度がないながらすがるような語り口の『圧』が凄くて大興奮してしまいました。この前に見ていた小松昌平の演技が超常事変での牙崎漣というのもあり、かの役だと当然声を張ることも多く、また声を張った演技ってやっぱり声量があると分かりやすい物理の『圧』になりやすいんですよね。
でもそうじゃない。大声ではないのに、圧のある演技と声色にずっと圧倒されていました。
あと本当ああいう小生意気な役させたら小松昌平の右に出る声優、なかなかいないのでは?と思いますね。
今回のキャラクターでぞっとしたのが、広樹を家族と慕い、「愛している」と告げる蓮慈にどことないタナトスを感じて、トモキにエロスを感じた瞬間ですね。上記の「広樹さん」と呼びかける声音がどことない性愛を帯びたように聞こえたところです。完全に脳内でトモキが広樹を押し倒していた(直球)

何より、『紅井朱雀』以外の益山武明を浴びるのが実は初めてで、割と年相応(大卒〜留学が10年前なら30代前半ぐらい?)のキャラクターで演技する姿を見るのは初だったんだけど、こういう役もっと吸いたい……ってなりました。マジで武明はあまりアニメやゲームに出てこないので貴重だぁ(歓喜)ってなるじゃん?!?!?!!?
こういう苦悩しながら袋小路に追い詰められていく姿、演技、本当良すぎるのでもっといろんな作品で披露して欲しい。益山武明のこういう演技はSideMじゃ吸えないんだよ!!!!!
岡井さんは本当豪胆な姿から広樹の死でメチャクチャになる振れ幅が良すぎてアフタートークの小松じゃないけど変な性癖開いた感じある。救いがないってサイコー!!!!!!

感想(内容)

小さなほころびで全部がおかしくなってしまった、そんな最悪の悲劇でしたね。
尺蓮慈という男を蜂須賀広樹が拾い、愛さなかったらこんなことにはならなかったのか。
尺蓮慈が京都部忠明に出会わなければ、嫉妬しなければこんなことにはならなかったのだろうか。
小さなifを幾つ積み重ねても、きっとどこかで地獄が顕現していた物語だったのだろうなと思います。
コンテンツを混ぜるのは良くないと思いながらも、私はどうしてもアイドルマスターSideMというコンテンツで益山武明という声優を知ったこともあり、引きずられる部分も当然あります。
彼の演じる紅井朱雀というキャラクターの印象的な台詞として「生まれた時からの悪人なんていねえんだ」というものがあるんですが、蜂須賀広樹という男もある意味尺蓮慈の『善性』(ただし社会的規範から大きく逸脱している)を信じようとした結果、自分を追い詰め、追い詰められ、最悪の結末を迎えてしまったような印象を受けました。
きっとあそこで二人とも死んでいれば、ある意味ハッピーエンドだったんだろうなと思います。
ただ、尺蓮慈は生き残ってしまった。愛した人を『救って』、自分は『救われなくて』、それでも蓮慈は地獄を歩むことに決めた。その地獄の旅路の果てが、本編なのでしょう。
と、なると尺光輝が歩む地獄の果て、見たいですね。出来れば尺光輝を小松昌平で、菅忠義を益山武明で……(オタクは初めて見た演技を親と思うので)
『残された男』『愛する男に置いていかれた男』がとても性癖なので、尺光輝が紡ぐ『次』の物語がメチャクチャ気になってしまう。
三者三様の愛が間違いなくここにあって、本当ある意味京都部の愛が報われなさ過ぎてしんどかったな。ずっと隣にいたはずなのに、たった一人の男のせいで大事に思っていた男の命も心も奪われてしまうんだから……

本編も見たいんだが?

実家に帰るタイミング~~~~~~~!!!!!!!!(オチ)
とりあえず今日のこの日記をベースにまた小松昌平に怪文書送りつけようと思いました。
ちなみに明日は中島ヨシキと深町寿成の出るほのぼの系BL朗読劇~~~!!!!!!温度差~~~~~~!!!!!!!!


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