0019-20170611【今週の振り返り、時事ポイント】

今週のニュース振り返りは以下の内容を取り上げます。

1.英下院総選挙結果とその影響 2.FBI前長官コミー氏、米議会で証言(ロシアゲート関連)3.上海協力機構首脳会議 4.サウジアラビアなどのアラブ諸国によるカタール断交 5.天皇退位法案成立 6.経済財政運営の基本方針(骨太の方針)閣議決定


1.英下院総選挙結果とその影響

6月8日に実施された英国の下院選挙の結果、与党保守党が敗北し選挙前には過半数超を占めていた議席数が、過半数割れを起こす結果となりました。

解散・総選挙を決めた4月時点では保守党の圧勝が予測されていましたが、社会保障の高齢者負担増をマニフェストで打ち出してから流れが変わり、相次いだテロが追い打ちをかけた格好となりました。

保守党の党首メイ氏はテロに対して毅然とした対応・態度を見せましたが、前キャメロン政権時代に内務大臣を務めたメイ氏が予算削減をしたために警察官の人数が2万人減ったことがテロに繋がったと批判を受けました。

過半数割れを起こした保守党ですが、EU離脱に賛成している北アイルランド地方の保守政党である民主統一党(DUP)と協力する方針を表明しました。

この連携体制によって過半数をなんとか確保したメイ氏は、エリザベス女王と面会をして組閣の許可を得ました。英国では国王(女王)に首相任命権があり、日本と違って議会内での選挙(首班指名選挙)は必要とされていません。

なお、英国議会は「国王(女王)、上院、下院」の三者で構成されていますが、上院は終身制で無給です。原則として下院が優先されるため、実質的には一院制となっています。

下院は650名で構成されており、過半数は326です。今回の選挙の結果、保守党は318議席、DUPが10議席となりました。野党第一党の労働党は262議席です。

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