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【アルバム紹介】天国と地獄 / カーネーション

どうも。なんか就活とかいろいろあって一ヶ月近く空いてしまいました。すみません。まあ人生ってそんな感じで進んでいくものなので続けているだけヨシとするか。六日目はカーネーションの超名盤「天国と地獄」を紹介します。

恥ずかしながら最近までカーネーションをきちんと聴いたことがなくて、去年ごろから精力的に触れ始めた結果としてこのバンドの凄まじさに気がつきました。ナゴム系出身だったんですね。垣間見えるトリッキーな歌詞とかカバーする曲のアングラ性なんかを考慮すると確かに、と思える。一応アルバムはサブスク解禁されていないものも含めて全部聴いたんですか、やっぱりこの「天国と地獄」が頭ひとつ抜けているような気がします。

コンセプトアルバムではないと思うんですけどやっぱりすごく構成的なアルバムであるように感じますね。特に「オートバイ」から始まる感じが。「オートバイ」の早朝感すごいもん。全体を通して田舎の朝の澄んだ感じと都会の昼の喧騒と工場地帯の夜の怪しさが入り混じっているような雰囲気。個人的にはすべての曲から、イントロによってその後の色を決められている感じを受けるんですけどどうでしょう。「愛のさざなみ」とかそれが顕著。

本当にすべての曲にハズレがないんですが、あえて好きな曲を挙げるなら「体温と汗」「The End of Summer」「地球はまわる」あたりですかね。これらの曲には人間が人間と一緒にいることの希望みたいなものをすごく感じます。音楽的にも、同じようなフレーズを繰り返しながらどんどんカオスに展開させていく感じがすごい好み。もちろん、表題曲である「天国と地獄」の、テレビ音声をミックスしたみたいなイントロもカッコ良くて最高だし、「愛のうわばみ」の熱烈なギターから「愛のさざなみ」のイントロへシームレスに移行する作りとか痺れてしまいますね。「いくいくお花ちゃん」とか不思議な曲をカバーしているのもいいし、「ファームの太陽」みたいに一見何をテーマに歌っているのかわからない暗号じみた曲が入っているのも楽しい。本当に飽きない。

なんでこのアルバムにここまで惹かれているのか考えると、発売年が1996年なんですね。この頃の日本ポップシーンって結構カオスだった印象を受けるんですが、その中でカーネーションはアングラによらず、ポップにも偏らず、すごくちょうどいい塩梅でやるカオス的ロックみたいなものを確立している気がします。自分たちのやりたいことを好きにやっている感じ。平衡感覚のいい異端児って憧れちゃう。

最後にこのアルバムで一番好きな歌詞を紹介して終わります。「未確認の愛情」の一節「おお素敵なきみ バカげてるね おお夢中な恋 バカげてるね」。このシニカルさと素直さのバランス、本当に最高ですね。



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